2015年4月23日木曜日

人生の最大の障害は、周りが自分を不幸にしているという信念です

Column 2015 No.23

メーテルリンクの「青い鳥」の童話(本来は戯曲)は幼い頃から何故か心惹かれる物語でした。兄のチルチルと妹ミチルは魔法使いの老婆に促されて“幸福の青い鳥”を探す旅に出ます。思い出の国 夜の宮殿 未来の王国…へと。どこの国にも美しい青い鳥はいましたが、鳥籠に入れるとすぐに色が変わったり、死んでしまったり‥‥。疲れ果てた二人はついに諦めて家に帰り「とうとう見つけられなかったね…」とがっかりしていました。ところがふと見ると、何と!家で飼っていたキジバトが美しい羽毛をもった「青い鳥」だったことに初めて気づくのでした。

 魔法使いの老婆は「幸せはねえ。ごく身近にあるんだよ。ただそれに気がつかないだけなんだ。幸福は近くの身の回りにいっぱい潜んでいるんだよ」ということを教えてくれたという物語です。何と大切なことを教えてくれているお話でしょう!

 しかし大人になった今、私は思うのです。幸福の青い鳥はもしかしたら周りにいるのではなく“心の中”にしかいないのではないかと。心の中に幸福の青い鳥がいるから、周りに潜んでいる幸せが見つけられるのではないか…と。幸せな場所を必死に求めても、自分の心の中にしあわせや喜びを感じれるハートがなかったら、そばに幸せがあっても気づかないし、それを幸せだと感じることもできないでしょう。おそらく何処に行っても幸福は見つからないでしょう。

 またこんな寓話に出逢ったことがあります。ある村から新しい村に越してきたA婦人が、その村で一番尊敬されているという長老に尋ねました。

A婦人「長老さま この村の人たちはどんな人たちですか?」
長老 「前に住んでいた村の人たちは、どんな人たちでしたか?」
A婦人「とても嫌な人ばかりなので、引っ越してきたのです。」
長老 「それなら多分ここも同じです。」
~出典不詳~

 なかなか示唆に富んだ寓話ですよね。私たちもA婦人と似たような思考をもち、似たような行動をとっていないでしょうか。自分が気分が悪いのはあの人のせいだ…私が今不自由なのは周りの環境が悪いからだ…と。そして何とか相手を変えようとしたり、うまくいかなければそこから逃げようとしたり…。人のせいにしてそして逃げて、ひとときは“うん!うまくいったぞ!”と思えるのだけれど、暫くすると、やっぱり以前と同じ状況が再び展開する…。

 長老はそこを見抜いて婦人に告げます。「それなら多分ここも同じです」…と。周りの環境がその人に影響を与えているのではなく、その人が持っている、自分や周りに対する信念・定義(コラムNo19)がその人の環境を創っていくのだ…と。“A婦人よ!あなたの人生の創造者は周りにはいないんだよ。あなたなんだよ!”…と長老は伝えたかったのでしょう。

見るべき場所はただひとつ 自分自身の内側だけだ!
~イハレアカラ・ヒューレン~

 耳に痛い至言ですよねえ…。しかしやはり自分の人生の主役は自分自身であり、自分の人生の責任は自分が持つしかないのだと!つまり私たちは自分の人生を創造する力があるんだ‥‥ということを忘れないでいたいものです。ところが自分の人生を主役で生きる上での最大の障害は、A婦人のように、周りが自分をみじめにするという私たちの信念です。

 たとえ他者がどんなにあなたのことをけなしたりおとしめようと、本当は全く関係ないのです。自分が自分のことをどう思っているかだけで、実は私たちの人生は起動するのです。恐れるものは周りには何もないのです。ただひとつ恐いのは、私たちの自分に与える評価だけです。つまり無意識に自分に与えているネガティブな信念だけが問題なのです。

この世界では肯定的なことも否定的なことも、
あなたが真実と信じているとおりに体験するのです
~賢者のことば~

*次回のコラムは5月20日前後の予定です。