2014年9月30日火曜日

Go ahead!前進また前進!

Go ahead! 前進また前進!
                        - 曻地三郎 -

Column 2014 No.14

 100歳を直前に迎えられた頃の曻地三郎氏(養護学校・しいのみ学園園長)のメッセージです。もしご存命であればおそらく110歳近くになられておられるはずですが、ネットがうまく繋がらずご存命か否か不明のままです。

 5~6年前に求めて読んだ、彼の「ただいま100歳~今からでも遅くはない~」(致知出版)を再び手にとってみて、今回のコラムはまず曻地三郎氏のことを主に書いてみたいと思いました。

 本の表紙の帯に書かれていた曻地氏の“100年生きてつかんだ生き方の秘訣 各世代に送るメッセージ”を抜粋してみましょう。特に40代以降の人に送られているメッセージには目を見張るものがあります。

40代   最も花の咲く時期。勝負せよ。
50代   人生の最高のとき。50代は人生の花道。
60代   飛躍のとき。自分の学問・実績を広げよう。
70代   70くらいで屈してはならない。自分を鍛えよう。
80代   駄目だと思ったら駄目になる。半分の40代の積りで頑張る。
90代   今からでも遅くはない。
100代  Go ahead! 前進また前進!  

 人生を極めた人の言葉は身にしみ、 実に勇気を与えられますね!

 曻地氏は長男・次男さんとも小児麻痺だったことから、全財産を投じて「養護学校・しいのみ学園」を創設されました。養護学校が日本にはまだ1校もない時代でした。100歳にしてなお現役の園長です。

「私は人生で何度も失墜し、“隠遁したい”“もう死んでしまいたい”とまで思いつめたことも何度かありました。しかし人生は戦いである!負けては駄目だ!と気持ちを持ち直しては人生を戦い抜いてきたのです。」

 Go ahead! 前進また前進! 曻地氏は絶えずご自分に負荷を掛けながらの懸命な生涯だったのです。

「私は100歳のいまも毎朝ラジオの語学講座で中国語と韓国語を学んでいます。100歳でも中学3年生のような気持ちで勉強をしています。毎日が前進です。」 

 彼の場合、いわゆる単なるボケ防止の為の学びではなく、韓国と中国に養護学校を創る夢を果たしたいがためなのです。すでに実験的には早くから進められており「・・・・・これが私の百歳の仕事です。勿論自分で陣頭指揮を取ります・・・・」 百歳にしてこの広大なる夢!!

 そして驚くことに、100歳になられても2時間もの講演を立ったままでされるとか、階段も手すりを持たずにすたすたと上り下りなさっているとか! いわゆる奇跡の人です! 曻地氏のその根性と生き方には、ただただ敬服・感服以外にありません。

 そんな折も折、近くに積んでいた ひろさちや氏(仏教伝道者)の“がんばらない がんばらない”という書籍のタイトルが目に飛び込んできて、あまり頑張れないでいる今の私をほっこりと包んでくれたような気持ちがして・・・・・苦笑したことでした。

 そう! 頑張れないことがあってもいいのだ。息を抜いて緊張した体と心をグッとゆるめてあげることも大切なのではないかと・・・・。自分の心と体のリズムを理解しながら、今を正直に大切に生きていこうと・・・・。曻地氏も、休息しご自分をそっとあたためてあげられるひと時はきっとあったであろう。心の温かさが伝わってくるようなお人柄だから・・・・。

Go ahead! 元気が出たら前進だ!人生は君次第だよ!

いささか停滞気味だった私の心情に、曻地氏の人生哲学がこんなエールに聴こえて、魂が再び喜び、躍動したひとときでした。


*次回のコラムは10月20日前後の予定です。

2014年9月10日水曜日

あなた自身が自分のために生きるのでなければいったい誰があなたのために生きるのでしょう。そして今、生きるのでなければ あなたはいつ生きるのですか

あなた自身が自分のために生きるのでなければ
いったい誰があなたのために生きるのでしょう。
そして今、生きるのでなければ あなたはいつ生きるのですか
~バビロニア経典~

Column 2014 No.13

 私たちは幼い頃から周りの大人から「わがままはいけません」「親の言うことは聞くものです」「人から頼まれたことは断ってはいけません」等々。自分よりも他者のために生きることが大切である・・・・ということを潜在的にたたみ込んで大人になってきました。

 しかし親業の人間関係講座では

☆ あなたの人生の主役はあなたです
☆ 欲求充足こそが人生の目的です

と謳っています。しかし多くの女性にとっては、気付いたら夫の脇役で生きていたり、子どもの人生に命を賭けたり、第三者の評価を気にしたり・・・・で、自分の人生の主役になり切ることはなかなか難しいようです。しかし誰かの脇役で生きるということは、多くは、生きている実感がないから、わけのわからない不安や不満、恐怖心を抱えて生きる羽目に陥ってしまいます。

 そしてひとりのその不機嫌な波動が実は、子どもや家族・社会の混乱に影響を与えていくのだ・・・・無関係ではないのだ・・・・ということに気付いている人はどれだけあるでしょうか。

 世界を見渡せば私たちの身近な国々においてさえ、21世紀になった現在もなお、終わることのない憎悪と積憤の連鎖が繰り返されています。そして貧困、環境汚染、環境破壊、核の脅威・・・・等々 私たち地球世界には問題が山積みです・・・・。そこだけを見ていると解決の糸口も掴めず、絶望感に打ちのめされてしまいそうです。

 もう、私たちひとりひとりの思考と視点を本気で変えることしか解決の道はないのではないかと今しきりに感じています。最近読み終えた「引き寄せの教科書」の著者、奥平亜美衣氏は

自分が幸せになるしか世界を変える方法はない!

 と喝破しています。まさに大共感で、私には膝を打つ感じがありました。私自身も常にそう信じ、講座でもお伝えしているからです。


 さて最近、知人からの情報で久々に映画館に足を運びました。タイトルは「マダム・イン・ニューヨーク」インド映画です。ごく普通の主婦である女性が勇気ある一歩を踏み出して、コンプレックスから立ち上がり、一人の人間としての誇りと自信を取り戻し、自立していくストーリーです。

自信と誇りを取り戻した彼女は言います

「ありがとう!自分を愛することを教えてくれて!」

 そして自分への愛は、さらにまわりへの愛へと広がっていくのだということを彼女の次のメッセージは示唆しています。

「・・・・相手との折り合い方を見失ったとき、そんなときこそ自分で自分を助ける時よ! 自分を愛し大切にすることは、あなた自身が一番うまくできるはず。そしてそれができたら再び相手と対等だと感じられるようになれるわ・・・・。」と。

 自分を真に幸せにできたひとりの女性のこのメッセージの中にこそ、世界を変えていける答えがあるような気が私にはしきりにするのです。自分を愛している容量でしか他者への優しさとか思いやりは決して表せないのだから・・・・。

 私たちひとりひとりが自己否定をやめて、自分を許し自分を愛して、納得できる自分の人生を果敢に創造していく。つまり一人の人間として自分の軸をもち、決して一般論に流されるのではなく、自分の感度を信頼して選択していけるようにひとりひとりが自立していく・・・・・。

 自分を愛し、自分の感度を信頼して生きるこうした自立した人々こそが、やがて必ずや民族の共存・共栄、人類を真の平和へと確実に導いていける人々なのではないかと・・・・。


自分自身を愛することができないうちは 他人を愛そうと
しないでください。それはできない相談です。
~ポール・フェリーニ~


*次回のコラムは9月30日前後の予定です。