2022年2月20日日曜日

ありのままの自分で生きる

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Column 2022 No.105

 「あなたらしくいなさい」「ありのままのあなたで」…というフレーズはよく見聞きしてきました。しかし解かったようで解からないのが“あなたらしく…”とか“ありのままで…”ではないでしょうか。

 これまで周りの人から「こんな考えをするところってあなたらしいわね」と言われたことが何度かありますが、正直とても戸惑いを覚えたものです。その感じ方が自分自身にも真実か否かがよく解からないのに、第三者に何が解かるの?という戸惑いです。

 若い頃、深刻なうつを患った時、自分のつらい気持ちを心ある幾らかの友人に相談をしたら、その友人の多くが「あなたのままでいいのよ」と返してきたことを思い出します。その瞬間は「ああそうか!私のままでいいんだ…」とほっとしたものですが、少し時間が経つと、“わたしのままって何だろう?”という疑問が湧いていたことも思い出されます。人生に迷っているとき、人は多く“自分軸”(ありのままの自分)からそれることで、自分自身を見失っているわけですから、“あなたのままでいいのよ”…という助言(正論)を頂いても具体的には理解できないわけです。

 これは今思うことですが、私が混乱をして自分を見失っていたとき、もしも相手の人が「苦しいねえ…。どう生きていっていいか分からなくなるほど混乱してるんだねえ。やりきれんねえ・・・」と、反応して下さっていたら、私はどんなに救われたことでしょう。ただただ私の苦しい気持ちを解かって共感を示して下さっただけで、「ああ。今すごく苦しいけれど、苦しんでいる私のそのまんまでいいんだな」と、心がくつろぎ、ありのままでいれる心地よさを実感できたと思うのです。

皺もシミも老いもひっくるめて、この世にあなたはたったひとり
ダフネ・セルフ

 そのたった一人の自分そのままを、いかに愛し赦していけるか。“ありのまま”の本質というものが、私の中で少しずつ明確になってきましたので、その自分でいられる為にできることを、私なりの気づきで纏めてみたいと思います。

☆ 自分の行動に対する価値判断に気づく

 自分の思考の動きを観察すると、他者と比べて自分はだめだと落ち込んだり、人を傷つけた・傷つけられたとかに捉われたり、私くらいの年齢になると“老い”を意識してふさぎ込んでみたり…と、ありのままどころか、私ではいけない、私では駄目だ・・・と、とても厳しいベクトルを自分に向けていることに気づきます。

 自分へのその価値判断に、まず気付くことが大切です。気づかないと生き直すことは難しいのです。人間をやっている以上、これらマイナス思考は当然なのです。だから、あるがままの今の自分をそのまま赦すのです。“他人と比べて自信を失っているんだねえ” “傷つけられたと思って凄く腹を立てているんだねえ” “老いを感じて愕然としているんだねえ”…等々。つまり価値判断をしている自分に気づき、いまの自分の実態に共感しながら、そのままの自分を見ていられる状態…これがあるがままでいる姿です。

☆ 自分の今の気持ちに正直にやりたいことをやる

人が笑おうが笑うまいが自分の歌を唄えばいいんだ
岡本 太郎

 自分の歌を唄えばいいんだ…と言われても、その頃の私には自分の歌が解からなかったのです。それに気づいた私は、“自分の歌を見つけよう”と決意したのです。「欲求の5段階説」を提唱した心理学者アブラハム・マズローは、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する存在」と述べ、間違っている・いない…はない。自分の心が赴くことを正直に生きていくうちに、無意識に自己実現へと向かい、次のステージへと自然に上がっていくのだ…と述べています。

 まず、他者のために見栄えのいい生き方をすることを本気でやめてみようと思いました。“自己実現”という目標にしっかり意識をおきながら、本当の自分を取り戻すために、自分の正直な気持ちを大切に、いま本当に食べたいものを食べ、着たいもの着て、行きたいと思うところに行き、逢いたいと思う人に逢い、やり損ねてきた“子ども染みた遊び”も思い切ってやってみました。時間はかかりましたが、そのうち、自分の歌が徐々に見えてきたのです。岡本氏が言う、誰に笑われてもいい“自分の歌”を下手ながら唄い始めたのです。

 するとあるがままの自分の実態がさらに明確になっていきました。その結果、「自分軸」が徐々に立ち上がり、やがてマズローの提唱する自己実現へと向かう高次の欲求が、少しずつ垣間見えてきました。私の人生に於ける真の目標(欲求)が見えてきたのです。私は、はっきりと気づいたのです。自分の本当の歌を見つける為には、今のあるがままをそっと赦しながら、何の罪悪感も持たないで自分がやりたいことや心が喜ぶことを、本気でやっていくこと。ここからが出発…私の体験からそれを確信したのでした。

 価値判断をやめ、あなたに来た“ひらめき”を大切にしてやりたいことをやり始めて下さい。自分から来た答え(欲求)はあなたにとってはまさに真実です。価値判断している間に大切なチャンスは逃げてしまいます。もちろん恥をかいたり失敗したり…はあるでしょう。しかし私たちは失敗から沢山のことを学びます。失敗は、魂の目覚めを促してくれます(コラムNo44)。どんな自分も赦し赦して自分をどんどん満たしてあげましょう。本当の自分を見つけるために、です。これまでも取り上げましたが、私が日課にしているアファメーションです。

どんな自分も無条件に愛します
どんな自分も無条件に赦します


*次回のコラムは2022年3月20日前後の予定です。

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