2023年10月20日金曜日

人間は間違いを侵しながらも躓きながらも前進している

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人間は間違いを侵しながらも躓きながらも前進している
ジョン・スタインベック
Column 2023 No.125

 次のフレーズは米国のミュージシャン、ボブ・ディランの言葉です。

 人生に後退はない。あなたの人生で起ることはすべて、
 あなたをゴールへと進ませている

 生きていく上では確かにひとときの「後退」はあります。スイスの精神科医であり、心理学者のカール・ユング「もっと遠く飛ぶための後退」という至言を残しています。走り幅跳びをした時の経験を思い出しますが、ぐっと後退をしてしっかりと助走をつけないと記録を出すことはできませんよね。私たちは「後退」を含めてそこから学んでは、またゴールへと進んでいる存在だ…とボブ・デイランは言っているわけです。

 私自身のこれまでの人生、自分の苦手なこと、解かっていないことについては、その多くを失敗という経験を通して学んできました。いっぱい赤恥をかきながら、失敗の折ごとに、“そういうことだったのか”…という大きな気付きを得ては、またひと回り大きくなってきたような気がします。そしてもう一歩もう一歩と前に進んできたような気がします。それは今思えば、すべてゴールへと進むための助走だったわけで、失敗・後退を含めて確実に私たちはゴール(自己実現)へと着々と向かっているのですね。

 私は少しずつ気づいていきました。大きな失敗のあとには、これからの私の人生の足取りに必要な智慧が、必ずやって来るということに…。今思うことですが、特に私の祖父や父親は生きる上で重要と思う価値観は体感を通して熱心に伝えてくれましたが、日常的な細々(こまごま)した価値観は「自分の頭で考えろ」的で、子どもの私にあまり伝えることはしませんでした。だから私は、日常的な小さな事柄によく躓いて(つまづいて)いました。赤恥をかくような失敗をするたびに「こんな恥ずかしい失敗する前に、こんなことくらい親はどうして教えてくれなかったの?」と何度も両親を恨めしく思ったものです。

 しかし教えられなかったからこそ、不用意にやって来た、肌身に沁みるほどの痛みを伴う失敗という体感を通して、自分なりの深い気づきを重ねて、今日(こんにち)の自分があるのだな…と、痛みを伴う経験から学んだことはとても大きかった…と今では感じています。そしてとても辛いことですが、ある時から出来るだけ保身することは辞めて、失敗から本気で学ぼうと思いはじめました。“失敗を自分に許して生きてみよう”と、決意したのです。本当の、素(す)の自分を知りたいと心から願ったからです。

 失敗は私の中の弱点が明るみに出ることであり、見たくない気づきたくない自分の中の闇の部分に、対峙せざるを得ない立場にも立たされます。しかし苦しいけれど決して逃げないで、それを通して感じ切り、学んでいきたいと心を決めたのです。それを決めてからの気付きはとても大きかったと思います。失敗の中でも特に私の心に痛みを伴うのは、無意識を含めて、人さまを傷つけるような行動言動をしてしまったと感じたときです。何と愛に欠けている自分なのだろう…と愕然(がくぜん)とすることもありました。

 私は失望などしない。何故ならどんな失敗でも
 次の前進への新たな一歩となるのだから
 トーマス・エジソン

 しかし過ちは決して恥ずかしいことではなく、生き方の軌道修正をしてくれるチャンスでもあるということです。過ちに目をつむって、何も学ばないままに後悔と罪悪感という重い鎖を引きずって生きるよりは、その経験にまっすぐに対峙して気づき、これからの人生に生かしていく。傷つけてしまったという現実があるなら自分に言いわけをすることは一切辞めて、自分自身の過ちをすっぱりと認め、心の中でいいから相手の人に心からのお詫びをする。そして過ちから学んだことに心から感謝をしていく。

 気付いたのですから、そのあとはその出来事を引きずることは辞めて、自分を果敢に赦し手放していく。そしてその出来事を、すっぱりと“お払い箱”にしていくことがとても大切に思います。

 自分のまわりに起ることで無駄なことは何ひとつないのです。失敗・後退を含めてすべての出来事が私たちの魂の進化にとってひとつひとつが大切な布石となっていくのですから。

 ある賢者の言葉です。

 過去のどんな素晴らしいあなたよりも、いかなる今であろうと、
 自分史上、今日のあなたが一番進化しているのです。

 私たちは日々様々な体験をしながら、泣いたり笑ったりしながら生きています。へまなことを言ったりやったり、同じ失敗を繰り返しているように思えますが、実は、今まで見えなかった何かが見え、今まで気づかなかった何かに気づき、賢者の言う昨日よりも今日、今日よりも明日…と確実に進化・成長をしているのです。

 まわりの人と比べて優越感に浸ったり、自己嫌悪に陥ったりする時間はありません。人よりも上でもなく下でもないのです。他人と比べることで自分軸は大きくずれていきます。失敗から学び、常に自分から来る答えを信頼して生きる姿勢こそ、自分なりの進化・成長が、より体感できる生き方だと思っています。            

 自分自身の直感に従うの。それが最高の助言者になってくれるわ
 ダイアナ妃

 人の世に失敗ちゅうことはありゃせんぞ
 坂本 龍馬

*次回のコラムは2023年11月20日前後の予定です。

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2 件のコメント:

  1. 私の子ども時代はスマホがなかったので今より情報量は少なかったですが他人と比べることに関しては昔も今も大差ないように思います。それだけ私たちは他人と比べるための敏感なアンテナを持ち続けているということなのでしょうか。

    子どもの頃は必死だった事、色んな出来事を思い返すと結構な失敗をしていたことがわかったりしますが 今、ここにいる私はなんていい感じなんだろう・・・と思います。

    子育て中も子どもから色んなことを経験させてもらって・・・失敗とも感じないくらい無我夢中で・・・他人の言動に傷つきながら怒りながら友に共感してもらいながら・・・生きていて。
    「自分自身の直感に従うの。それが最高の助言者になってくれるわ ダイアナ妃」

    私の大好きなダイアナ妃の言葉のように私も直感に助けてもらって来たように思います。そしてこれからも私の直感を信じて自分を進化、成長させて行こうと強く思いました。
    有り難うございました。

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    1. MOON さま

      ほんとほんと、子供の頃の自分を思い出すと、楽しいこともいっぱいあったけれど、私は周りの大人が理解できにくくて、だからMOON さんの “必死で生きていた”…というフレーズにとても共感がありました。

      続くMOON さんの「今ここにいる私は何ていい感じなんだろう」というフレーズ!何だか暖かい風に出逢ったような気分になりました。

      そうそう! 子育て中は子どもに対しては、いっぱい失敗をやりながらも、必死だから失敗にも気づかず無我夢中でしたよね…。何だか愛おしいですよね…。特にMOON さんは必死で子どもを守り、愛情いっぱいのお母さんでいらしたことを思い出しますよ。

      おっしゃるようにこれからも更に、自分から来る直感を信じて、自分なりの進化成長をしていきましょうね。



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