2014年7月9日水曜日

コミュニケーションの基本は、発信と受信。 それは「表現力」と「共感力」です

Column 2014 No.10

 親業では 自分と相手との間に心地よい人間関係を組んでいくための効果的なコミュニケーションとは何かを学び、練習をして身につけていきます。

 コミュニケーションの基本は 表現力つまり“自己表現”と、相手の話を共感をもって聞く“傾聴”の、「発信と受信」の双方向コミュニケーションです。それを図にしたものが下記のとおりです。
コミュニケーションは大変難しいと言われますが、事実はとてもシンプルなのです。表現力!と共感力!この二つの力を手に入れたら、あなたはコミュニケーションのベテランです。

 それは表現力(わたし大切)と共感力(相手大切)の双方向コミュニケーションであり、それぞれの個人の中でそれが心地よいバランスを持ったときに、双方に、はじめて平和な「対話」の場が生まれます。

 さて、わたし達に身近な国々、アラブ諸国とその周辺ではいくらか民主化が進んできたとはいえ、民族・宗教・領土・資源をめぐって今もなお絶えることのない紛争、小競り合いが続いています。いくら権力や武力で制圧をしても、人の心まで制することは決してできない。人としての尊厳性を無視して、真の解決には決して向かえないということでしょう。

 いま問われる急務は、どんなに時間はかかっても、人と人とが、政党と政党が、民族と民族が、国家と国家が「対話」によってどう歩み寄っていけるか!ではないでしょうか。もっとも対話ですべてが簡単に片づくとは決して思いませんし、並大抵ではありません。それにお互いの過去の過ちや痛みを、許しあえる日が来なければとても難しいでしょう。しかしそれさえも対話なくしては不可能でしょう。

 まず個人レベルから「対話」の力量を養っていくことは、いま私たちに出来る世界への貢献の大きな第一歩ではないでしょうか。もし我々人類一人一人が双方向コミュニケーションをベースにした「対話力」を子ども時代からある程度体得していたら、世界の混乱はもう少し早く治まっていたのではないかと・・・・。

 受講者の方の、ある事例をご紹介します。

 夫が今夜も呑みに出かけるという。今週はもう3回め!私はとても受け入れられない。それで夫に自分の気持ちを正直に表現してみました。 

「あなた、今日は3回めなの。年末になると生活費が嵩むし、私とても不安なの。」 ・・・・・・自己表現
「俺が呑みに行くというとお前はすぐ嫌みをいうね」
「あなたは私から嫌みを言われてるようで、気分悪いのね」・・・・・・共感
「そうだよ!」
「でもね。嫌みで言ったのではないのよ。新年を迎えるのにお金が足りなくなるのではないかと不安なのよ」・・・・・・・自己表現
「そうか、不安なのかあ」・・・・・・・共感
「そう!新しい年を気持ちよく迎えたいのよ」・・・・・・自己表現
「わかった!今夜はやめとくよ。連れが待っているわけではないしな」
「わあ、嬉しい!有難う!コーヒー入れるわね。」・・・・・・自己表現

気付き:
いつもお金のことを言うと、「うるさい!」「しっつこい!」という夫がはじめて「わかった!」と言ってくれたのには驚きました。自己表現って伝わるんですね。

 相手について価値判断したり責めることをしないで、自分の思いや痛みを正直に表現していく。そして相手の言い分(反発)に対しては、反発で返すのではなく、一度きちんとそのままを受け取って共感で返してみる。表現力と共感力がみごとに発揮され、穏やかな「対話」が成立しています。そしてお互いに納得の解決策にたどりついています。

言い過ぎもせず 言い残しもなく 自分の心を
きちんと表現できたら その日は幸せな一日
                 - サインズ -

*次回のコラムは7月30日前後の予定です。

7 件のコメント:

  1. 『言い過ぎもせず 言い残しもなく 自分の心を
    きちんと表現できたら その日は幸せな一日』

    そうなれた時、ありのままの自分がそこにいる様な気がします!


    無意識に相手大切 (共感)を重視するあまり、表現する事(自分大切)が出来ずに 何故か何処かにストレスを抱えていた様に思います。

    相手は時に 名誉で、恐れで、不安で、…様々な欲で 相手> 私 という構図を投げかけてきます。(私が勝手にそう思っていたのかもしれませんが )

    時に、私は 同じく 不安、恐れ、欲によって 自分> 相手 という 立場に持っていこうと (無意識に)表現しています。

    相手=自分 になった時 平和な対話が生まれるのでしょうね。

    やはりそこには人として謙虚さや尊重は必要だと思いますが…。
    謙虚過ぎても尊重過ぎても難しいですね(⌒-⌒; )

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    1. あきこさま

      おっしゃるように私たちは、相手に心を使うあまり、自己表現を引っ込めてしまいやすいですね。しかも恐れ…で。

      もっとも、相手=自分という構図がきまっているわけではありません。
      ある日ある時は自分大切のコミュニケーションに傾いたり、ある日ある時は相手大切のコミュニケーションに傾く…。

      しかし私たちの中にわたし大切・相手大切の心地よいバランス の用意さえあればいつでもお互いを大切にした「対話」が成り立つでしょう。
      「表現力」と「共感力」をみがいていきたいものですね!

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  2. そうなんですよねぇ~。構図は簡単なんですよね。
    でも、そこに、過去の感情が入ってきて、相手を受け入れがたく、つい、自己表現をしなくなってしまう・・・

    これの繰り返しですね。気付いた時は、あるいは、こちらに余裕がある時は受け入れが出来るんですが、自己表現が(しかも、尾ひれがついた自己表現)主だって、相手を受け入れていない私に気付くんです、後から・・・

    まあ、気付くだけでも、成長した私って、思うことにして先に進みますね。

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  3. Kiyokoさま

    ほんと! 言うは易し 行うは難し…ですよね。

    過去に捉われてしまうと、共感どころか自己実現も面倒になってくる…。お互いに過去は過去と割り切りたいものですよね…。

    そう!kiyokoさん 気付けることがすごいこと! そし気付いたことだけでも果敢にやってみる! 変化の チャンスです!

    自分も相手も変化のチャンス。そう! 関係性は変わり得るから!

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  4. Kiyokoさま

    上記コメントの中の 自己実現は「自己表現」の誤りです。

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  5. 「言い過ぎもせず 言い残しもなく・・・」 

    こんな日を少しずつ作りたいです。

    できなかった日は・・・

    「ドンマイ!だいじょうぶ、大丈夫!」

    と唱えながら(^O^)

    それが世界につながるのですよね。


                     

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  6. Moonさま

    "世界につながる…"というmoonさんのフレーズ! 大共感です。
    私たちの想い・行動は、必ず世界中の人々の想い・行動に繋がって行く…。

    何はともあれ、自分を愛し、自分を赦し、大切にしていくことから出発ですね。 すると世界に愛が拡がる!

    そう! 何があっても
    「ドンマイ!だいじょうぶ 大丈夫!」と日々自分に優しく優しく生きていきましょうね。

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