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私はいつも“それはたいした問題ではない”
という哲学をもって生きてきた
アンディ・ウォーホル
Column 2022 No.111
アンディ・ウォーホル(故)は米国の画家・版画家・芸術家でポップアートの旗手。マリリン・モンローを描いたポップアートはあまりにも有名です。またロックバンドのプロデユースや映画製作などにもかかわっていたマルチ・アーテイストでもありました。
彼のこの冒頭のフレーズはどこで見つけたのか記憶にはありませんが、ノートに走り書きをしていて、何かに直面したとき、ふとこのフレーズを見返して、私は何度勇気づけられてきたことでしょうか。私の完全癖傾向の為に、何か問題が起ると、それが結構高い壁に思えて“解決できるのだろうか。無理ではないか。でも何としてでも解決しなくては…”と意気込んで大仰に考えてしまう“思い癖”(おもいぐせ)が曾て(かつて)はあったのです。
いつのころからか、そんな場面に遭遇したときに、ウォーホルの「それはたいした問題ではない」というフレーズが私の思考の中に思い浮かんで来るようになりました。すると私の中のその完全癖思考が少しずつ変容していったのです。その結果、ネガティブな高い壁は崩れ、不思議に何とか解決に向かう…という体験もしてきました。ものごとをあまり深刻に捉えないで、“私に起った問題が私に解決できない筈はない”と少しずつ思えるようになったのです。つまり問題に対して少し楽観視できるようになったというわけです。
楽観的であるということは、顔を常に太陽に向け、
足を常に前に踏み出すことである
ネルソン・マンデラ
悲観的な性格の人が楽観的に物ごとを見るようになっていくことは、もしかすると、とても難しいことかもしれません。でもこれも練習・訓練によっては可能性に満ち満ちていると、私は思っています。これまで何度か取り上げてきた例えでお話してみます。「泥水でいっぱいのコップがあります。しかしそこに清水を注ぎ続ければ、そのコップの水はやがて必ずきれいな清水に変わります」
私たちが人生を悲観的に考えてしまう“思い癖”があったとしても、コップに入ったままにして、変えようとしなくていい。ただ、問題に遭遇するたびにウォーホルが言っているように、“大丈夫!たいしたことではない!” “大丈夫!何とかなる!”と、その都度、新しい楽観的な思考をそのコップに注ぎ続けていけば、いつの間にか楽観的に考えられる新しい清水(思考)になっていくのです。実は思考も訓練のたまものなのです。
私は講演などで、ワイングラスの絵を描いて、人それぞれの人生の見方を説明することがあります。“グラスに半分のワインが入っています” そのグラスを見てAさんは「ワインがグラスに半分入っている」と、事実を見ています。Bさんは「ワインがグラスに半分しか入っていない」と足りない側面を見ています。Cさんは「ワインがグラスに半分も入っている」と満たされている側面を見ています。
悲観的な人は往々にして足りない側面に注目して、益々不安感情を引き寄せていきます。楽観的な人は満たされている側面に注目して、“なんて私は幸せ”と益々歓びや幸福な人生を引き寄せていきます。私たちは自分が“願っているもの”を引き寄せているのではなく、実は、自分が無意識に放っているバイブレーションレベルのものを、引き寄せてしまうのです。
どんな苦難に直面しても常に人生を楽しみ、おのれの運を信じ、
楽観的にものごとを見る。そこから拓ける道がある。
高橋 是清
このように多くの先達は、人生を楽観視することの重要性を説いています。望む世界を手に入れたいと思うなら、自らが発するバイブレーションを変えるか、上げるしかないのです。実は思考を変えることでバイブレーションは変化していきます(コラムNo110)。その結果、冒頭のウォーホルのフレーズのように、何か問題にぶつかった時「それはたいした問題ではない」と即座に感じ取れる楽観的な感性が育っていくのだと思います。
悲観的になって自分は成功できないなどと思っていたら進歩は望めません。
他人にはかなわないという考えこそが失敗への第一歩です
ダライ・ラマ
自分に足りない部分に気をもみ、他人と比べて劣等感を抱き、このままの私では駄目だ!もっと頑張らなくては!と自分にバッシングをする。…なんとしんどい生き方でしょうか。逆に、どんなときにも決して他人と比べず、ウォーホルのフレーズのように“それはたいした問題ではない” “自分は大丈夫!何とかできる!”と人生に楽観視ができたら、どんなに生きやすく楽しい人生になることでしょう。二つのフレーズをご紹介して今回のコラムを閉じたいと思います。
50過ぎたら「ま、いいか」「それがどうした」「人それぞれ」で行こう
広兼 憲史
楽観的であれ。過去を悔やむのではなく、未来を不安視するのでもなく、
今現在の「ここ」だけを見るのだ
アルフレッド・アドラー