2019年5月20日月曜日

過去と他人は変えられない。しかし自分と未来は変えることができる

過去と他人は変えられない。しかし自分と未来は変えることができる
エリック・バーン
Column 2019 No.72

 平成の時代を見送り、新しい「令和」の時代を迎えました。昭和・平成と生きてきて、ここに「令和元年」というこの歴史的瞬間に出逢えたことに、わくわく感を嚙み締めたことでした。この「令和」の元号が日本の古典「万葉集」から引用されたとのこと。「梅の花の歌32首」の序文からの引用と聞き、若い頃に勢いで求めていたらしいその万葉集(全5巻)を取り出して探しましたが、幾らか注釈はついているものの、すべて漢字のみのいわゆる“万葉仮名”と呼ばれる用字法で書かれており、私には全くのお手上げ状態でした(笑)

 その序文の現代訳は、はせくらみゆき氏の一文から明確になりました。「初春の月(れいげつ)にして、気俶(よ)く風らぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き…」新元号はこの序文の2文字から引用されたようです。新元号に関しては賛否両論あるようですが、品格があってなかなかいいな…と個人的には思っています。そして“きっといい時代になる!”…という予感です。

 新時代を迎えて、何故か冒頭のエリック・バーンのフレーズに心惹かれました。“過去と他人は変えられない”…うん、確かに! しかし、“自分と未来は変えられる!”…うん!なるほど! 新時代を迎えたこともあってか「なんと希望に満ちたフレーズだろう!」と思ったことでした。変えることのできない過去を悔やんで、自分を責めることは本気でやめよう!…と。そして他人(ひと)を変えることではなく、自分を変えることで未来を創っていこう!…と。

 私たちを不自由にしている頑(かたく)なに捉われている価値観に気づき、洗い直し、しかし大切に思っている価値観は、さらに大切にしていく…など、価値観の柔軟な捉え方・考え方は、自分自身の変容に、とても重要だと思います。

“今からでも!”と、“今からでは…”が、人生の大きな分かれ道になる
梁瀬 次郎

 私も年齢を重ねてくるに従って、うっかりすると“今からではねえ。とても…”と、夢に挑戦することに消極的になっている自分に、ふと気付きます。

なりたかった自分になるのに遅すぎるということはない
ジョージ・エリオット

 先達(せんだつ)の言葉には本当に励まされます! そう!人生に遅すぎるということはないんですね。ましてや、まだ50代・60代にいる人が自分の老いを語ってはいけませんよ! 前コラムNo71で触れましたが、個人的無意識・集合的無意識…からくる不安・恐怖は、「…今さら出来るはずがない…」とあなたを脅かします。でも、潜在意識がどうであれ、どんなに不安・恐怖でたじろぐことがあったとしても、そこに今ひとつ勇気をもって、一滴一滴と、希望と情熱の新しい一滴を注ぎ、行動していかなくては、私たちの人生のストーリーは未完で終わってしまいます。

歳をかさねるだけでは人は老いない
理想を失うときに はじめて老いがくる
人は信念と共に若く 疑惑と共に老いる
人は自信と共に若く 恐怖と共に老いる
希望がある限り若く 失望と共に老いる
サミュエル・ウルマン

 近年、90歳を超えてもなお青年のようなエネルギーを、感じさせる人たちも多くなりました。彼らは、人は歳(とし)と共に老いる…という集合意識を乗り越えて、“そうであるとは限らない”…と、自分の感度の方を信頼し、人生を思い切り楽しみ、自分の位置で出来得ることをしている人たちです。片や、50歳代で、すでに老年を感じさせる人も確かにあります(コラムNo24)その違いは何でしょうか。

 それは、ウルマンが謳っているように“理想・信念・自信・希望”を抱き続け「私の人生の創造者はわたし」のスタンスで生きている人なのか、或は“周りが私の人生を左右する…”と、人任せのスタンスで生きている人なのか…の違いではないでしょうか(コラムNo70) “絶対に揺るがない安全基地”は自分自身の中にしかない…ということを知っている人達は、他者に依存しないのです。周りに起き湧く事象は、すべて自分の心の反映だということを理解しており、自分の責任において自分を磨き、研鑽を深めていくことで、人生を創造していける人たちです。

 しかし歳(とし)を重ねると、ものごとに関心が薄くなったり、情熱を失いかけることも確かにあります。しかし人生を諦めない人は、自分のその“心の危機”に気づくことができるのです。健康を取り戻すために体を動かしたり、改めて自分の心が喜ぶことを自分にやってあげることで、エネルギーを取り戻すのです。身体の健康・心の健康こそが、生きる情熱(元気)に密接に繋がっているということを知っているからです。

生涯現役、臨終定年   松原 泰道(禅の高僧)

勢いのあるフレーズですね! 本気でそう願っている人達にとっては、きっとそれは現実になるでしょう。歳(とし)だから…という幻想を振り払って、自分の価値に気づき直し “焦らず、私自身のペースで、ゆっくり成長していいんだよ…”と、絶えず私も自分に言ってあげるようにしています。他者のペースに巻き込まれないことはとても大切に思います。“他者(ひと)は他者(ひと)、自分は自分”です。人の数ほど生き方のスタイルはあるのですから…。

あきらめない! 一歩ずつ   三浦 雄一郎

*次回のコラムは6月20日前後の予定です。

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