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あなたの同意がない限り、誰もあなたを下に見ることはできないのです
エレノア・ルーズベルト
Column 2021 No.103
このフレーズは、32代米国大統領フランクリン・ルーズベルトの奥様で、婦人運動家で有名だった人の言葉です。
職場でいじめに逢ってしまう人、いつも被害者意識で生きている人というのは、まさにこのフレーズが示しているように、いじめを受ける前に、また、誰々からこうされた…という前に、実は自分自身に“自分は駄目な人間だからいじめを受けて当たり前” “人に嫌われて当たり前”…と、どこかでそれを認めている、つまり、同意をしている…というわけです。もちろんこれは無意識の選択です。
カウンセリングの場でもよく体験することですが、自分に価値を持っている子どもは、周りの子どもから「お前死ね~や!」(いじめる子がよく言う言葉です)と、万一言われたとしても“せっかく生まれてきたのに、なんで私が死ななきゃいけんの!”と当然跳ね返します。しかし、自分で自分に価値をおけない子どもは、言われて当然…と無意識に同意していますから、その言葉を真正面から受け入れてしまいます。“価値がない自分は死んでもいいのかも…”というふうに。
あなたはあなたであればいい
マザー・テレサ
子どもの自己価値感を育て直していくという作業はとても大変ではありますが、しかしそれは一生の宝となります。自己価値感が再構築されると、再びいじめに逢うことはありません。いじめを受け入れることに同意しなくなるからです。しかし、子どもが自分自身に価値を持てるようになるためには、まずは私たち大人が自分の人生を大切に生き、どれだけ自分に価値をおいて生きているか…が問われます。そして“見栄えのいい子どもに”…という世間軸を脱却し、“自分のペースを大切にして、ゆっくり成長していいのよ” “あなたはあなたでいいのよ”と伝えてあげることから出発です。(コラムNo58)
子どもは子どもらしく生きる権利があります。試行錯誤をする権利があります。失敗をする権利も、落ち込む権利も、這い上がる権利もあります。それこそが子どもの人生としての体感であり実感です。その体感・実感が赦されることで、初めて自分の人生が、心と身体で実感でき、それが生きる自信となって、その子なりの生き方のスタイルを作っていけるのです。
壁は自分自身だ
岡本 太郎
“私は駄目だ。私であってはいけない”と誰よりも思っているのはあなた自身なのです。自分の思い込みが、私たちの壁となっていることに気づいて、自分自身を見直していきたいものです。
自分はこんな人間であるという思い込みが現在のあなたを作っている
池上 彰
この思い込み(同意)は、知らず知らずに自分の生き方を決定しています。私たちは今の瞬間をどんな意識状態で生きているでしょうか。自分の心・自分の想念の多くを、何に費やしているでしょうか。一番大切な「自分軸」から離れて他人軸に向かい、他の人の動向や評価を気にしたり、他者と比較して自分の無価値感と闘ったり…と言ったような想念で、多くの時間を費やしてはいないでしょうか。怖いことですが、その無意識の想念が私たちの人生を創造していくのです。
まず、瞬間瞬間、自分自身の想念のあり方に気づき、無意識の思い癖に気づくことがとても大切です。他人軸から自分軸に向け直すこと。今、自分はどう感じているのか、どうしたいと思っているのか、いま何がやりたいのか、その都度、明確にしていく。思考のあり方はその人にとっては長年にわたり馴染んでしまっている習慣ですから、まず気付くことからが始まりです。だから訓練が要ります。私もまだ修行中ですが、とても大切なポイントであり、それが自分を愛するということだと感じています。
自分を愛する…ということは、自分に正直になるということです。自分から来た答えを尊重し、本当にやりたいことをやり始めることです。誰にも気兼ねをすることなく朝寝坊したり、休暇を楽しんだりジムに行ったり、新しい服や靴を買ったり、もっともっと正直に自分の心が喜ぶことをやってあげること・・・それは本当の自分を見つける為の大切な第一段階です。自分軸を強く太くする為に大切な一歩なのです。やり続けていくに従って自分の人生の目的が見えてきます。そしてやがては他者と比べない自尊心・自己価値感が再構築されていくのです。
まずは私たち大人が“ありのままの自分・素(す)の自分で生きていいのだ”と自分自身に同意できたとき、初めて内外一致で、子どもたちにその心を伝えることができるでしょう。
あなたの尊厳は、自ら放棄しない限り、
誰も奪うことはできないのです
マイケル・J・フォックス