2021年10月20日水曜日

人生に、後退はない

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人生に、後退はない。
あなたの人生で起ることはすべて、
あなたをゴールへと進ませている
Column 2021 No.101

 米国のミュージシャン(故)ボブ・ディランの言葉です。私の好きな言葉です。人生には確かに後退はあります。しかし人はすべて、決してそこに留まってはいないのです。その後退があったからこそ、そこで生きて感じて、自分なりに気づいたその答えが叡知となるのです。そこで再び立ち上がり、さらにもう一歩進化して自分のゴール地点へと向かっていきます。だから決して人生には後退はないのです。

 私は過去に心を病んだ挫折体験があります。家の中に籠り、何か月も自分の魂と闘い続けた苦しい体験がありました。生きることを辞めてしまいたいと思うほどの耐えがたい苦悶の日々でした。しかしある日、立ち上がったのです。そしてそのとき私の中から、“もう他者の為だけに生きるのは辞めよう。自分の気持ちに正直に生きていこう…”という答えが、閃きのように降りてきたのです。その時の感慨を今もありありと思い出します。

 私はその経験により、人はこのように大きく後戻りしながらも、ゴールに向かって進んで行こうとしているたくましい存在なのだ…ということを学んだのです。アメリカの心理学者アブラハム・マズロー(1908~1970)も、“人間は自己実現に向かって絶えず成長しようとしている勇敢な存在なのだ”…と述べています。

くさらない おごらない 屈しない
村上 和雄

 しかし、思い通りにいかなかったら、ついくさったり、ひがんだり…、逆にうまくいっていると、つい気持ちがおごってしまったり…、自分の心は実に簡単に変容を見せます。しかし、その気変わり心変りの中でも、決して自分軸を見失わず、自分の気持ちに気づいていくことが大切なのだと思います。後はそれを愛し赦して、必ずゴール地点に向かっているのだからと、自分を励ましながら、真摯に自分と付き合っていきたい…と思っています。

私は失望などしない。なぜならどんな失敗でも
必ず次の前進への新たな一歩となるのだから
トーマス・エジソン

 失敗は回り道かもしれませんが、決して行き止まりではないのですね。失敗は痛いけれど必ず学びがある。エジソンは何度失敗しても決して諦めることなく「もういっぺん!」「もういっぺん!」と、挑戦したのです。彼は言っています。“失敗などしていない。1万回うまくいかない方法を見つけ出しただけだ”…と。そしてやがて人類に大きく貢献する発明を成し遂げたのです。

もっと遠く飛ぶための後退
ユング

 陸上・体操競技を見ても解ります。しっかり後退して助走をつけないといい結果は出せません。だから私も物事が思い通りに行かないときも、失敗したときも、間違いをおかした時も、暫くは塞いで自分と苦しい闘いをしますが、そんなときこそ決して自分から逃げない。それは大きくジャンプするための、助走のひとときだと信じて生きています。

 カウンセリングの場で、不登校の子ども達やお母さん方に沢山お会いしてきましたが、子ども達はみんな必ず立ち上がっていきます。そしてそれを体験した多くの子ども達は言います。「不登校したことに後悔はない。不登校したからこそ今がある」…と。 自分のまわりに起ることで無駄なことは、何ひとつないのです。失敗・後退を含めてすべての出来事が、その人の魂の進化にとって、一つひとつが大切な布石となっていくのですね。

道草は自己実現の王道である
河合 隼雄

 子どもが何もしないでぼんやりしているひとときや、親から見れば何の意味もないことに没頭していたり、無気力だったり、反抗したり、心配な友達と付き合ったり…これもみんな立派な道草です。実は見失ってしまった本当の自分を見つけるための回り道をしているのですね。自分の魂にとって、いま何が必要なことかが私たちは本能的に解かっているのです。マズローも言います。“人は自分にとって情報が足りないものを満たそうとします。また満たす必要があるのです。正直にそれら欲求を満たすことで、今まで見えなかった何かが見え、そこで感じて気付いて、人は必ず次のステージへと上がっていくのです”…と。

過去のどんな素晴らしいあなたよりも、如何なる今であろうと、
自分史上、今日のあなたが一番進化しているのです
賢者のことば

*次回のコラムは2021年11月20日前後の予定です。

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4 件のコメント:

  1. 下村先生✨こんにちは!
    20日を楽しみに待っていました。そして、今回のコラムにとても勇気づけられました!

    病を得て、仕事から遠ざかり人生後退してしまったと感じていたからです。

    何にも考えが浮かばなくて今回はもう元気になれないかも知れないと思ったほどの状態だったにもかかわらず、時間が薬となり、また元気になることができました。

    今では、思い浮かんだわくわくすることをまた追いかけることができるようになりました!お菓子からお料理に行って、10月はパンづくりの扉も開いちゃいました!こんど食べてくださいね!

    ポジティブもネガティブも手のひらにのせて感じて、どんな自分も赦して愛して、ニュートラルの位置に立つ。そこで気づいたことは叡智となって自分軸をさらに揺るがないものにしてくれる。そして、自分史上、一番進化したわたしになるんですね!

    すごく勇気づけられました!
    ありがとうございました!

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    1. もふピヨakiさま


      コラムを楽しみに待って下さっていた由、有難うございました!

      病で後退してしまった…と心が塞いでいらしたけれど、そのうち、心に思い浮かんだワクワクを追いかけることが出来るようになられたのですね!わあつ!最近はパン作りも始めたれたのですね!益々ワクワクですねえ!

      そうですね。おっしゃる通り、周りに起こることも、もふピヨさんの中で起こることも全てニュートラルなのですね。だから判断しないで、その位置に立って、気づき、あるがままを愛し赦していく。その気づきが叡智となって、自分軸が更にしっかりと立っていくのですね。

      海岸に打ち寄せる波のように、引いては返しながら、必ず一歩前進していく!引いている時も、返しているときもどこにいようと、私たちは、今日の自分が、今の自分が自分史の中で一番進化している!実に希望ですよね!もふピヨさん、有難うございました。

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  2. 日常の中で後退しているように感じる瞬間があったとしても····俯瞰して自分を眺めることが出来たら·····決して後退も失敗もしている私ではない。

    それは子どもも大人も自分の人生を歩んでいる人みんなに当てはまる。

    後退していると感じた時の自分の心はいつか自分のために大きな力を発揮してくれる そう思いました。

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    1. MOONさま

      いつも有難うございます。おっしゃる通りだと思います。後退しているように見えているときも人はそこで必ず感じ学び、そしてそれは叡智というエネルギーとなって、次のステップに向かって進化していくのですよね。それが解ったら後退も失敗も無い…ということですよね。

      また ”後退している” 感じているとき ”今は助走のとき” と信じて、そしてそのひとときを愛して赦して生きていくことで、その助走はやがてMOONさんが仰るように大きな力を発揮してくれます。だから失敗も後退も決して恐れず、お互に自己実現に向かって胸を張って生きていきましょうね!

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