2024年2月20日火曜日

人は変わることができる

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人は変わることができる
茂木 健一郎
Column 2024 No.129

 脳科学者である茂木氏は「脳科学から見ると“人は変わることができる”ということこそ事実です」と述べています。色々な脳科学者が書いている脳に関する書籍を読んで、脳の使い方によって人は確かに変わることができるのだ…という信念を私自身も持っています。しかし脳といえども、勝手に私たちを変えることは決して出来ません。

 脳は私たちの身体の指令塔ですが、指令を出すのはやはり私たち本人です。あくまでも自分と自分の人生の主役は私たち自身です。だから“自分は変わることはできない”と決めている人は決して変わることは出来ないでしょう。茂木氏も「“私はなりたい自分になれる”と信じること、希望を持つことこそが、あなたのこれからの道を大きく開いていきます…」と述べています。

 あなたの能力に限界を加えるものは
 他ならぬあなた自身の思い込みである
 ナポレオン・ヒル

 私たちには“個人”の中での思い込み“日本人”としての思い込み“人類”としての思い込みが、根強くあります。例えば、人生は自分の思うようにはならないものだ。頑張らないとものごとは成就しない。人類は運命に左右される儚い存在だ…等々、限りない思い込みに埋没しています。怖いことですが私たちの脳は思い込みのままに私達の人生を、ひいては人類の行方を決めていきます。私達はその思い込みに気づき、様々な観点から見直してみる…その検証は急務です。

 “人は変われる”という事実を生かしていくと、
 脳は感情や記憶の中心となる回路を創り変え、
 身体全体にダイナミックな変容を起こします
 茂木 健一郎

 “人は変われない”という視点から“人は変わることができる”に視点を変えていくことで、私たちの脳は“変われるよ”という思考回路に創り変えてくれるということです。わくわくしますね。しかし私たちの“変われない”という思考から“変われる”という思考に、方向転換することはなかなか容易ではないのかもしれません。

 私が長い間カウンセリングの仕事をしてきて感じていることがあります。多くの方が表面上は「変わりたい!」と思ってこの場に見えるのですが、お話を伺う限りでは“変わりたい”と同じ熱量で“変わりたくない”の感情が見え隠れしているのです。例えば「私はダメな人間です。変わりたいのです。成長したいのです」と言いながら、毎回毎回、その原因を他者のせいにしたり、いかに自分が可哀そうな人間であるかを、エンドレステープのように話し続けます。つまりアクセルとブレーキを同時に踏んでいることに気づかず、同じ位置にいて前に進めないでいるのです。しかし、すべて自分の責任において、自分が変わるしかない…と本気で気づかれた時から、はじめて、その人とその環境は見事に変わっていきます。

 心がすべてである。あなたは自分の考えた通りのものになる
 仏陀(釈迦)

 エネルギーは、私たちが心や目(意識)を向けている方向に流れる…とヨガでは伝えています。自分が本当に望むものにしっかり注目ができたときに、本当に欲しい人生が手に入るというわけです。過去を悔やんだり、自分の不幸を他者のせいにしたりすることでエネルギーを分散してしまうと、欲求が不明確になって、その結果それが手に入り難くなっていくのです。

 「クレスキンの暗示効果」というゲームをご存知でしょうか。円形の図面を準備して、図の中心点を通る縦線・横線を引きます。円外側の縦線上下に“できる・できる”、横線左右に“できない・できない”と書いた図面と、5円玉の穴に糸を付けたものを準備します。その糸の先を持って図形の中心点の上でコインをつるします。そして例えば、これからあなたがやりたいと思う趣味とか仕事を思い浮かべて「できる!」と念じてみます。不思議ですが、コインは無意識に「できる」と書いてある言葉の方向の上下に動き始めます。次にやりたい同じことを思い浮かべて「できない!」と念じてみるのです。するとコインは左右の「できない」の方向にゆっくり方向転換して動き始めます。

 先ほどのカウンセリングの場でよく起こる「変わりたい・変わりたくない」と同時に念じたらどうなるだろうと試してみました。するとコインはピタッと円の中心に止まったままになりました。興味深いですね。これを考案したのはカナダの奇術師クレスキンで、人間の暗示(想念)が無意識のうちに身体に反応するためだと述べています。エネルギーは意識が向かう方向に流れる…想像以上に私たちの“想念の威力”が理解できるひとつの実験です。遊び感覚で試してみて下さい。

 世界にただひとりの私をどんな私に仕上げていくのか。
 その責任が私であり、皆さん一人ひとりなんです
 東井 義雄(教育者・僧侶)

 なりたい自分になるためのポイントを纏めてみます。

 *なりたい自分の姿をできるだけ具体的に明確にする
 *そうなれる価値がある自分である…と信じる
 *不安恐怖・罪悪感・思い込み(価値判断)を手放す
 *アクセルとブレーキ (なりたい・なりたくない) を一緒に踏まない

 罪悪感・過去からの思い込み・不安恐怖などに気づき、それらの思考の片寄りを取り払っていくことで、欲しい現実を引き寄せたいという本気の力が湧いてきます。私たちは人生に何度も何度も躓くものです。しかし決して諦めないで“なりたい自分になるのだ!”と心を定めていくと、磁力のように望むものを強力に引き寄せていける力が私たちにはあるのです。これが「引き寄せの法則」(コラムNo120)の原則でもあります。諦めたくなった時、私達の内面にあるエネルギーを信じて、お互いに、もう一歩前に進んでみませんか。

 あきらめる一歩先に、必ず宝がある
 ナポレオン・ヒル

*次回のコラムは2024年3月20日前後の予定です。

2024年1月20日土曜日

今日、誰のために生きる?

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Column 2024 No.128

 「今日、誰のために生きる?」(SHOGEN・ひすいこたろう共著)は、SHOGENさんがアフリカの「テインガテインガ」というペンキ画に魅せられ、それを学ぶためにアフリカに赴き、1年半にわたるアフリカのブンジュ村での生活を通して学んだことを本にしたものです。

 SHOGENさんは、ある雑貨屋で白い壁に貼られていた、夕焼けを背景にして動物たちが楽しそうに遊んでいるペンキ画の、その美しさに感動して釘付けになります。彼はもともと絵が得意で「これだ!この絵を学んでこれで生きていこう」と、決意し、その日の夕方にはアフリカ行きの航空券を買い、翌日には会社に退職届を出し、何の伝手(つて)もないまま、学びのために単身でアフリカに向かったのでした。

 ご縁あって、ブンジュ村のカンビリ家にお世話になることになったSHOGENさんは、朝6時半くらいに朝食を取り、7時から絵を描き始め、休憩は昼食の時くらい。日が落ちるまで毎日12時間絵を描き「1日最低4枚は描く」と自分にノルマを課しました。そこの村でSHOGENさんは、村の村長をはじめ、村人みんなから、幸せとは何か。どうしたら幸せに生きられるのかを、教えられることになります。全く価値観の異なる異次元の体験をすることになり、SHOGENさんは戸惑いの連続です。彼が村人から伝えられたメッセージは魂を揺さぶられるような感動があります。

 ショーゲンおはよう。ショーゲンは誰のために生きるの?
 また晩ごはんの時に逢おうね

 今回のテーマにしたのはこのフレーズです。実はこれがブンジュ村の朝晩のあいさつのひとつなのです。わが国では「おはよう!」で済むところを型通りのあいさつで終わらないので、SHOGENさん、初めはちょっと重い…と感じたそうです。「今日は誰のために生きるの?」あなたならどう答えますか。

 いちばん大切にしないといけないのは自分だよ。
 ショーゲンはいつも自分を置き去りにしているように見える。
 それでショーゲンの魂は喜んでる? 自分の魂に失礼なことをしてはいけないよ

 自分を大切に出来ない人は、周りの人を大切にできる筈がないのだ、ということをこの村の人たちは解っているのです。だから「私は自分のために生きるよ」「俺は俺の人生を生きるからな」子どもも「私は私を生きるの」と挨拶するのです。挨拶はとりあえず言うものではなく、この村の人たちは相手の顔を見て、その人の状態を感じて声をかけてくる。SHOGENさんは周りの人から気持ちに余裕がないように見え、それを心配されて「心に余裕をもってね」「ショーゲン空を見上げてる?」「ショーゲン自分の人生を生きてる?」と、よく挨拶されたようです。

 SHOGENさんがお客様から頼まれたキリンの絵を描いている所に、村長が来て言いました。「それは自分のために描こうとしているのか?それとも人の為に描こうとしているのか?人のために描くのはいいけれど、そこに自分の喜びもないといけない。人の為にやって人が喜んだとしても、自分に喜びが感じられないんだったら、それはやめとけ」…と。この村の人たちは自分の心が喜ぶことを一番に大切にしているのです。

 ショーゲン、歓喜して自分らしく生きていくと決めて欲しい。
 自分らしく生きていく覚悟を決めて欲しい。

 このように村長や村人から親身に愛をもらったSHOGENさんは、少しずつ心を開き、気持ちの余裕と自分を愛する心を取り戻していきました。そしてある日、村長から驚くようなメッセージが伝えられたのです。

 実はこの村の先輩は日本人なんだよ。
 日本人こそが俺たちの先輩で真のアニミズム*なんだ。
 (日本人には)虫の音がメロディーとして聞こえる。
 その素晴らしさは当たり前じゃないからね…
 幸せとは何か。本当に大切なことは何か。それがすでに日本人は解っているんだ。
 …日本人の血の中に流れる素晴らしい記憶を呼び起こしてね
 *「アニミズム」とは、自然界のあらゆる存在に霊魂・生命が宿っているという考え

 村長の祖父に当たる人(120~130年前の人)は、村で祈祷とか神事を行うシャーマンで、夢の中で時空を超えて日本人と交信し、その日本人から色々教わっていたという。村長がSHOGENさんに心を込めて伝えてきたことは、村長が先祖から伝えられてきた“その日本人の心を伝えてきただけなのだよ”…と言うわけです。

 その村長の言う、“日本人の血の中に流れる素晴らしい記憶…” その記憶とはいったい何なのでしょう。ひすいこたろう氏の一文を以下に拾ってみました。

 「…江戸時代の末期、海外から日本にやってきた外国人たちは、日本人を見て口々に、“日本人は幸せで満足している” “町中に上機嫌な様子がゆきわたっている” “顔がいきいきしている”と記しています。黒船でやってきたぺリー提督、イギリスのオズボーン艦長も “(日本では)不機嫌そうな顔にはひとつとて出会わなかった” と言っています。…当時の日本はもっともっと貧しかったにもかかわらずです……」

 現代の日本は、経済力、科学技術力ともに先進国として世界に立派に認められる国となりました。しかし、その古き時代にこんなにも心豊かで、幸福感・満足感に満ちていたという日本人の心を、私たちは本当に忘れてしまったのでしょうか。

 飛鳥の時代、聖徳太子(西暦574~622)が制定した、17条憲法の第一条「和をもって貴しと為す」に基づいて、太子は、他者も自分をも大切にという“和の精神”を心として、国家を導きました。その“和の心”は今もまだ日本人の心の深層にしっかりと根付いていると思います。それは例えば、大震災のような災害時に発揮される、他者と助け合ったり、分かち合ったり、ゆずり合ったり…の“和の精神”に、はっきりと見ることが出来ます。

 私は他者のために生きることと、自分のために生きることは、実は一つのものではないかと思っています。人類はみな底辺では繋がっていると思うからです。スピリチュアルや精神性の分野ではそれを「ワンネス」とも表現しています。もしかしたら日本人は、古い時代からその“ワンネスの心”を深く直観し、(時代により世が乱れることはあっても)総じては、自他の区別うすく、自分を愛し人さまを愛する精神文化の基調があったのではないかと思います。安定の時代といわれる江戸の人たちのハートの中には、それが色濃く残っていて、それが輝くような機嫌のよさに現れていたのではないでしょうか。

 今も、世界の日本に対する評価は非常に高く、しかし国内で低いというのが相場…ということがよく言われています。他者をも大切に考える控えめな日本人の奥ゆかしさはとても素敵ですが、それが度を越して、自信のなさや自国を過小評価してしまう結果に繋がり、本領が発揮できないでいる側面もあるのではないかと感じています。

 日本人が自分を愛することと、他者を愛することとのバランスを、今ひとつ取り戻していけば、日本人の持ち味や本来性が目覚め、ブンジュ村のダマス村長がSHOGENさんに委ねた「地球のために頼むぞ日本人。日本人こそが世界を真の幸せに導ける人たちなんだから」の願いに、しっかりと応えていけるのではないでしょうか。

 「今日、誰のために生きる?」というこの書籍は、日本人が今、自分をも本気で愛し、真の自信を取り戻していくことの大切な示唆、日本という地に生を受けたことへの感謝と使命に改めて気づかせてくれた貴重な一冊でした。

*次回のコラムは2024年2月20日前後の予定です。

2023年12月20日水曜日

「怒る」と「叱る」は異なります

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Column 2023 No.127

 「上手な叱り方を教えて下さい」これは早くからあった質問です。叱り方についてはすでに他の配信等で触れていますが、今回は改めてお応えしていきたいと思います。

 まずテーマの「怒る」と「叱る」は異なる…という辺りからまとめてみます。「怒る」その人の心情は、相手のためにではなく、自分の中の怒りの感情を相手に対して発散する。つまり怒りを相手にぶつける状態です。

怒るのは感情のまま、叱ることは愛情がないとできない
野村 克也

 Fさんの体験です。「私がよく親から言われていた言葉です:“本当にあんたは自分勝手なんだから!” “言うことが聞けんのならもう何にもせんけ~ね” “あんたがおるけ~こうなるんよ!”…など。 わたしの誕生日にも母は、“あんたの誕生日を祝う日じゃないの!ここまで育ててもらった親への感謝の日よ” と言われて、一度もおめでとう!と言われたことはありません。一方的にいっぱい言われているんだけど、私に伝わってきたのは、ただ、“あんたは駄目な人間!価値がない人間!” ということだけでした。」と仰っていました。

 この事例が示しているのがいわゆる「怒る」ということであり、ただ怒りと蔑視の言葉を子どもにぶつけているだけです。その結果、子どもの心に育つのは、自信喪失感と自己無価値感です。

 一方「叱る」背景にある親の気持ちは、“ここで叱っておかないとこれからの将来に、この子が困ることになるのではないか”…と言う愛情がベースにあります。だから「叱り方」は相手を非難するのではなく、親が心配していることを伝えます。例えば「洋子。宿題をしないでいくことが多いよね。宿題はね。学校で次の授業に入るために大切な課題が出されているのよ。洋子が学校の授業にちゃんとついていけてるのかどうか…お母さんは心配よ」このように、価値観的な問題については、相手を責めるのではなく親の心配を伝えるのです。

 一方、親に影響のある(迷惑がかかる)子どもの行動に対しては、何故困るのかという親への影響と感情を伝えます。例えば「ケンちゃん。玄関に濡れたままの傘をもって入ると、玄関がびしょびしょになるよね。滑って転びそうになりそうでとても怖いのよ」のように。“だからこうしなさい”(提案)は出来るだけ避けて、子どもに考える余地を残します。

 まだ言葉が充分に伝わらない幼い子の困った行動にはどう対処すればいいのでしょうか。例えば “いきなりお友達にかみつく” “砂をかける” “いきなり押し倒す” またよそのお家に伺ったときなど “勝手に冷蔵庫を開ける” “触ってはいけないものを触る”…等々、幼い子はまだ充分状況判断ができないので、困ることを平気でやってしまう年齢です。こんな場面で黙って見ていてはいけません。「やめなさい!」と、毅然と辞めさせ、子どもをそこから離してください。そして子どもが一人になったときに、子どもに言い分があるならしっかり共感をもって聴いてやり、そのあと、何故やってはいけないかを、解かっても解からなくてもきちんと伝えておきます。こんな場面を黙認すると、常習になってそれを繰り返すようになってしまいます。

叱る時も叱られるときも真剣でありたい
松下 幸之助

 親業講座ではトレーニングを含めて詳しく学習しますが、(親業訓練協会とのお約束より)公開ブログではその内容に深く触れることはできませんので、そのさわりをお伝えさせていただきました。

心に届く叱り方のポイント

1 子どもは本来わがままであることを理解しておく

 子どもは自然体である場合、一貫性がなく、わがままで自己中心的です。すべてにいい加減で遊ぶことが大好き、縛られることが大嫌いです。これが健康的な子どもの特性です。
 だから些細なことでしつこく叱ったり、権力を使いすぎると、子どもを追い込み、子供らしさを失わせ委縮させてしまいます。ただ第三者に迷惑をかける行動や、ちょっとした社会のルールが守れない時には、毅然とした態度で伝えておくことは大切です。

2 叱ることが全てではない

 兄弟げんかやおうちでの少々のいたずらは大目に見てあげてください。社会性が育ち、応用力も効くようになります。行動するたびに叱られて育った子どもは、叱られないと行動しなくなる傾向が出てきます。つまり問題行動ばかりに注目すると、その行動を強化することにも繋がります。叱るばかりではなく、色々な対処をしてみて下さい。
 時には黙認してみる。また、困る行動をした時だけに注目するのではなく、出来たときに「出来たんだねえ!」と、認める表現をする。子どもの困った行動の多くは、子どもはいけないことは分かってはいるけれど、その行動がやめられない理由があるものです。「どうしてそれをやっちゃうのかなあ」と、ゆったりと尋ねると、できにくい理由を話してくれます。それを共感をもって聴いていくと、子どもが自分の気持ちを見つめるひとときとなり、子ども自身で解決策が見えてくるということも多くあります。つまり自立へと向かうのです。

可愛くば 五つ教えて 三つ褒め 二つ叱ってよき人となせ
二宮 尊徳

3 命令よりも事実を伝える

 「七時よ!いつまで寝てるの!」と急かせるよりも「七時ですよ!」と、事実だけを伝えてみて下さい。 「ごはんよ!呼んだらすぐに来なさい!」より「ご飯の準備できたよ」。 「早く宿題にかかりなさい!」より「六時よ。宿題出てたよね」。「お風呂掃除してないじゃない!」より「お風呂の掃除がまだできていないね」… のように、事実の表現は子どもの心を傷つけることなく届くのです。

4 変化球で怒りを現すと子どもは追い込まれる

 嘘をつく子どもに「嘘をついてるとやがて泥棒になるんだぞ」とか、「また○○して!もう好きなようにしなさい!」…のように遠回しに表現すると、子どもには明確に伝わりません。また心配なことや困っていることを、言葉で率直に表現しないで、不機嫌な態度で現してしまうことは、伝わりにくい上に、子どもの心に罪悪感を育てます。まっすぐに表現することが大切です。例えば「嘘だとわかってがっかりしたよ」「嘘をつくのはとても悲しいよ」のように。

5 傷つけたと思ったら必ずフォローをする

 親に非があれば決していい訳をしないで、すっぱりと「ごめんなさいね」と謝って下さい。伝えておくべきことがあれば、気持ちを落ち着けて大切に思う価値観を伝えておきます。傷ついている子どもにフォローしなかったために、親との関係も壊れ、その子は心が傷ついたまま一生を終えることもあるのです。

6 尊厳性をもって子どもを育てる

 子どもの心を傷付けないような叱り方をしてください。幼いながらも子どもは真っ直ぐな目で大人を見ています。そして驚くほどの理解能力を持っているのです。

人間はいつも偉大な存在であるという考えを持っておくことだ
松下 幸之助

*次回のコラムは2024年1月20日前後の予定です。

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2023年11月20日月曜日

自己表現とは自分の真実を語ること

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Column 2023 No.126

 いつも自分の本当の気持ちに気づいてそれを表現していけば、周りの人はそこにあなたらしさを感じて、あなたに親しみを持ちます。一般論や他の人のことを語るよりも、自分の内面にある本当の気持ちを語ることが、人間関係を親密にしていくポイントです。自己表現とは他者のために出すのではなく、自分の真実を語り、自分の気持ちをすっきりさせるために表現するのです。

 自己表現は自分を語るのですから、人称はいつも「わたしは」が主語になります。コミュニケーションは、相手の話をきちんと聴くこと(受信)と、自分を表現すること(発信)で成り立っており、これを「双方向コミュニケーション」と言います(コラムNo10No11参照)。今回は自己表現の方を中心に取り上げました。

 カウンセリングでのある青年M君が言いました。「僕は自分の本当の気持ちを人に言えなくて悩んでいました。悩みは自分の中でどんどん膨らんできて追い詰められたような息苦しさを感じ始めたのです。ある日何となく話せそうな気持になって、ある友人に自分の中の気持ちをほんの少しだけ思い切って出してみました。すると信じられないくらい気持ちがスーとしたのです。そして僕は段々と解ってきたのです。何も話さなければ僕のしんどい気持ちには誰も気づいてくれない。でも言葉で思ったままを伝えたら僕の存在に気づいてくれ、気持ちを解ってもらえるんだ!という大発見でした。」…と。

 本当の自分を表現し、自分に誠実であれ。
 成功している誰かをまねするのではなく、いつも自分自身であればいい
 ブルース・リー

 次は、ある受講生Aさんの体験です。「母の日に遠くにいる娘から鉢植えのカーネーションが贈られてきました。いつものことで、さほど感動もなかったので、娘に電話もしなかったところ、娘の方から電話があって“お母さんはすごく変よね!喜んでいるのかどうかわからない。今までもずーっとそうだった。お母さんは感じる能力がマヒしてるんじゃないの!”と言われたのです。すごくショックでした。私はこの講座で感じることをトレーニングしたい」…と仰っていました

 そうです。自己表現できないのは、まず感じるというプロセスが苦手なのです。苦手というより感じるという行為を疎かにしているのです。まず今の自分の本当の気持ちに丁寧に気づくところからが出発です。Aさんの例でいうと贈られてきたカーネーションをみて、Aさんは花より他のものがよかったなと思ったのかもしれませんし、いつものことで当たり前と思い、気持ちを表現していく行為にまでには至らなかったのかもしれません。ある意味、それはそれで実に正直だと思います。

 しかしAさんに、もう一歩感じるという行為が身についていたら、贈られてきたプレゼントはともかくとして「母の日を覚えてくれていたんだね。嬉しかったよ」と、覚えていてくれたことへの感謝の気持ちを自己表現できたかもしれません。これだけでも充分人間関係を保つことはできたと思います。

 そして、日を変えて「母の日のお花、とても嬉しかったよ。でもお母さんはすぐに枯れさせてしまうじゃない。そんなときすごく申し訳ないと思うの。だから鉢植えはちょっと苦手なのよ」と本当の気持ちを伝えることも出来ます。その結果、娘さんなりにプレゼントを考え直してくれるかもしれません。あるいは「気もちだけで充分よ!だからあなたからのカードだけで凄く嬉しいのよ!」と、それが真実であれば、このように伝えることも出来ますよね。

 僕が信用する人は、どんな時でも本音のあり場所を示す人だ。
 本当のことが解らない時は“解からない”とはっきり言える人だ
 武者小路実篤(小説家1885~1976)

 いつも自分の本当の気持ちに気づいていることがとても大切です。それに気づいていなかったら的外れな表現をしてしまい、その結果は相手にも伝わらない上に、段々と自分の本当の気持ちを見失ってしまいます。感情を見失うと、それら感情に支配されて鬱になったり、何処から来るのか分からない怒りになったりします。不機嫌な人は自分の本当の感情から迷い子になった状態なのです。

 不安・恐怖・焦り・嫉妬…等々。あなたがみっともないと感じている感情すらも自分の一部分として抱きかかえてあげるだけの自分への愛、自分への優しさがとても大切なのです。弱さのままで、怒り狂ったままで、正直に自分を語ってみましょう。とても気持ちに整理がつきます。ある女性Dさんが言いました「弱さを見せたら人は自分から去っていくのではないかと思っていました。だから今まで本当の自分を見せるのが凄く怖かった…。しかし驚いたことですが、弱さを出せば出すほど人は近づいてくれたのです」と。

 毎日の仕事の中で自分を自分で褒めてあげたい
 という心境になる日を一日でも多くもちたい
 松下幸之助

 仕事だけではなく自分自身の存在に対して、ただ感謝の気持ちや、自分自身の心が幸福感で歓喜するような自己表現を自分にも出してあげたいものですね。

 僕が鬱から抜けるのに大きな助けになったアファメーション。
 僕の場合は朝起きたときに「僕は自分が好き!」「僕はイケてる」と、
 毎朝唱えただけです
 田中 圭一(漫画家)

 できるだけ機嫌のいい自分で居れるように、今の自分の気持ちを大切にしてあげたいものです。私たちは心が機嫌のいい時に、自分の人生を心から楽しめ、創造性を豊かに発揮できるのです。そして周りの人々に、ひいては世界の人々に、心からの優しさや愛を表現していけるのです。

 あなた自身にかける言葉が、あなたの人生を励ましてくれたり、まわりの世界を豊かにしていくことが出来るのだとしたら、あなたは自分にどんな自己表現をしてあげたいですか。

*次回のコラムは2023年12月20日前後の予定です。

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2023年10月20日金曜日

人間は間違いを侵しながらも躓きながらも前進している

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人間は間違いを侵しながらも躓きながらも前進している
ジョン・スタインベック
Column 2023 No.125

 次のフレーズは米国のミュージシャン、ボブ・ディランの言葉です。

 人生に後退はない。あなたの人生で起ることはすべて、
 あなたをゴールへと進ませている

 生きていく上では確かにひとときの「後退」はあります。スイスの精神科医であり、心理学者のカール・ユング「もっと遠く飛ぶための後退」という至言を残しています。走り幅跳びをした時の経験を思い出しますが、ぐっと後退をしてしっかりと助走をつけないと記録を出すことはできませんよね。私たちは「後退」を含めてそこから学んでは、またゴールへと進んでいる存在だ…とボブ・デイランは言っているわけです。

 私自身のこれまでの人生、自分の苦手なこと、解かっていないことについては、その多くを失敗という経験を通して学んできました。いっぱい赤恥をかきながら、失敗の折ごとに、“そういうことだったのか”…という大きな気付きを得ては、またひと回り大きくなってきたような気がします。そしてもう一歩もう一歩と前に進んできたような気がします。それは今思えば、すべてゴールへと進むための助走だったわけで、失敗・後退を含めて確実に私たちはゴール(自己実現)へと着々と向かっているのですね。

 私は少しずつ気づいていきました。大きな失敗のあとには、これからの私の人生の足取りに必要な智慧が、必ずやって来るということに…。今思うことですが、特に私の祖父や父親は生きる上で重要と思う価値観は体感を通して熱心に伝えてくれましたが、日常的な細々(こまごま)した価値観は「自分の頭で考えろ」的で、子どもの私にあまり伝えることはしませんでした。だから私は、日常的な小さな事柄によく躓いて(つまづいて)いました。赤恥をかくような失敗をするたびに「こんな恥ずかしい失敗する前に、こんなことくらい親はどうして教えてくれなかったの?」と何度も両親を恨めしく思ったものです。

 しかし教えられなかったからこそ、不用意にやって来た、肌身に沁みるほどの痛みを伴う失敗という体感を通して、自分なりの深い気づきを重ねて、今日(こんにち)の自分があるのだな…と、痛みを伴う経験から学んだことはとても大きかった…と今では感じています。そしてとても辛いことですが、ある時から出来るだけ保身することは辞めて、失敗から本気で学ぼうと思いはじめました。“失敗を自分に許して生きてみよう”と、決意したのです。本当の、素(す)の自分を知りたいと心から願ったからです。

 失敗は私の中の弱点が明るみに出ることであり、見たくない気づきたくない自分の中の闇の部分に、対峙せざるを得ない立場にも立たされます。しかし苦しいけれど決して逃げないで、それを通して感じ切り、学んでいきたいと心を決めたのです。それを決めてからの気付きはとても大きかったと思います。失敗の中でも特に私の心に痛みを伴うのは、無意識を含めて、人さまを傷つけるような行動言動をしてしまったと感じたときです。何と愛に欠けている自分なのだろう…と愕然(がくぜん)とすることもありました。

 私は失望などしない。何故ならどんな失敗でも
 次の前進への新たな一歩となるのだから
 トーマス・エジソン

 しかし過ちは決して恥ずかしいことではなく、生き方の軌道修正をしてくれるチャンスでもあるということです。過ちに目をつむって、何も学ばないままに後悔と罪悪感という重い鎖を引きずって生きるよりは、その経験にまっすぐに対峙して気づき、これからの人生に生かしていく。傷つけてしまったという現実があるなら自分に言いわけをすることは一切辞めて、自分自身の過ちをすっぱりと認め、心の中でいいから相手の人に心からのお詫びをする。そして過ちから学んだことに心から感謝をしていく。

 気付いたのですから、そのあとはその出来事を引きずることは辞めて、自分を果敢に赦し手放していく。そしてその出来事を、すっぱりと“お払い箱”にしていくことがとても大切に思います。

 自分のまわりに起ることで無駄なことは何ひとつないのです。失敗・後退を含めてすべての出来事が私たちの魂の進化にとってひとつひとつが大切な布石となっていくのですから。

 ある賢者の言葉です。

 過去のどんな素晴らしいあなたよりも、いかなる今であろうと、
 自分史上、今日のあなたが一番進化しているのです。

 私たちは日々様々な体験をしながら、泣いたり笑ったりしながら生きています。へまなことを言ったりやったり、同じ失敗を繰り返しているように思えますが、実は、今まで見えなかった何かが見え、今まで気づかなかった何かに気づき、賢者の言う昨日よりも今日、今日よりも明日…と確実に進化・成長をしているのです。

 まわりの人と比べて優越感に浸ったり、自己嫌悪に陥ったりする時間はありません。人よりも上でもなく下でもないのです。他人と比べることで自分軸は大きくずれていきます。失敗から学び、常に自分から来る答えを信頼して生きる姿勢こそ、自分なりの進化・成長が、より体感できる生き方だと思っています。            

 自分自身の直感に従うの。それが最高の助言者になってくれるわ
 ダイアナ妃

 人の世に失敗ちゅうことはありゃせんぞ
 坂本 龍馬

*次回のコラムは2023年11月20日前後の予定です。

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2023年9月20日水曜日

感情は 感じたら手放す

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Column 2023 No.124

 現在YouTubeで配信中の“下村亮子チャンネル”第2回の中で「感情は感じたら手放す…は原則です」とお伝えし、手放し方はまたの回で配信する旨をお伝えしましたが、まずはコラムでまとめてみることにしました。

 感情は、感じたらなぜ手放した方がよいのでしょうか。いくつかその理由を挙げてみたいと思います。

1 感情にとらわれたり、ぼんやりとそれに浸り切っていると、感情が支配権を持ち、その感情から抜け出ることが難しくなります。

2 あなたの感情はあなたの人生の方向性を決めます。コラムNo120の「フクロウが教えてくれた幸せへの道しるべ」で取り上げたのは、いわゆる“引き寄せの法則”とよばれるものですが、ベースになるものは感情です。感じることは大切。しかしその後いつまでもその感情に執着していると、その波長に合った人生を引き寄せてしまいやすいものです。私達の感情は私達の人生を創造していく上で、無関係ではないということを知っておく必要があります。

感情が運命を大きく左右していることに気づきなさい
ジョセフ・マーフィー

3 また、湧き上がってくる感情に執着していると、そちらにエネルギーがとられてしまい「今」という大切な時間を生きるパワーが不足してくるので、今という大切なひとときを十分に活用できなくなります。

 それではどうすれば感情を手放していけるのでしょうか。今回のテーマ、「感情の手放し方」に進んでみたいと思います。

 例えば、スピリチュアルの分野で現在有名なN氏は「ネガティブな感情は本来のあなたのものではなく、今の地球の周波数だから、ただ外していけばいいのです」といったようなことを提言しています。彼は沢山の感情の手放し方を紹介していますが、ご参考に基本的な易しい手放し方のイメージワークをご紹介したいと思います。

「あなたが今不安の感情を感じていてその感情を手放すと意図する。両手が磁石になっているとイメージして胸に当てる。硬くて黒い塊のようになっている不安の感情がその両手にくっついて引き出される。両手に引き出した塊の重さを感じてみる。その両掌を宇宙(空)に向けて大きく開きその塊(かたまり)を手放す。その塊は細かい砂のような粒子になって宇宙に吸い込まれていく(ここで深呼吸)。暫くすると、宇宙からキラキラと輝くゴールドの粒子が降り注いでくる。その光の粒子を全身に浴び、胸の中にも納める(深呼吸をしながら身体に馴染ませる)」

※ 彼はイメージによる色々な手放し方を紹介しています。興味のある方は「並木良和」氏の書籍を参考にしてみてください。
余談ですが、もちろん、スピリチュアルとよばれる分野の多くはまだしっかりと科学的証明があるものではなくまたそれに依存してしまうことやカルト的なものには注意を要するものの、将来的には、(例えば現在のマインドフルネスのブームのような)社会での受容や科学的な理解もより進みうるのではないかと私は思いますし、自身のフィーリングに合うかなと感じれば自分軸で自己の責任でいろいろ試してみる価値はあるのではないかと思います。

苦しみは 欲望や執着から生まれる。
苦しみから解放されるには、欲望や執着を解き放つことである
釈迦

 祖父は家の中でよく“南無阿弥陀仏”と唱えていました。私には“なまんだぶ~”と聞こえていました。ある日私は祖父に「どうして “なまんだぶ~”と言ってるの?」と尋ねたら祖父は「ありがたくて感謝しているときも、雑念いっぱいで混乱しているときも、“南無阿弥陀仏”と唱えて、佛(ほとけ)さんにお預けしているんだよ」と言いました。祖父の感情の手放し方は“南無阿弥陀仏”のマントラだったのだろうと今は理解しています。
※ マントラとはインドで古代から使用されている、心を落ち着かせるために唱える短い言葉…という意味です。

 ハワイに伝わるヒーリングメソッド「ホ・オポノポノ」もマントラに乗せて感情を手放す方法に近いものです。心理学者のヒユーレン氏が体系づけた方法で、いま私たちが持っている観念・信念は長い歴史を重ねて、潜在意識に無意識の記憶として根強く横たわっている。それが縁に触れると周りの環境に映し出される。そのたびごとに“ありがとうございます”という感謝をベースにしたマントラを唱えることで、潜在意識のネガティブな感情を消去し、原初の状態に修復していく方法…としています。

 また親業の講座で学習する「能動的なきき方」(共感的な聴き方)は、強力な手放し方の1つだと私は理解しています。いかなる感情もそのまま受け入れ、真っ直ぐに見ていく。それをセルフカウンセリングに応用すると、

自分「ああ、わたし今すごく混乱してる!」
もう一人の自分「わけが解からなくなっているんだねえ」
自分「そう!昨日のあのことで頭が一杯!」
もう一人の自分「そうか、昨日の出来事が頭から離れないんだねえ。苦しいね…」

 ありのままの感情を、否定もせず同意もしないで、ただ共感で聴いていく“能動的なきき方”は、感情の交通整理の効果があるので、重い感情が解き放たれ、もともと持っていた答え・方向性がその人に見えてきます。

 また次のような手放し方もあるようです。

学ぶべきものを学んで、もういい加減うんざりしているのなら捨てておしまいなさい。
どうやって?
それらを愛し抱き入れ、自分の存在の中にそれらがあることを赦すことによってだ。
するとそれらはあなたを圧倒することは無くなるであろう
賢者の言葉

 このフレーズにあるように、如何なる悩みごとも、例えその事象が解決しないでも、それにまつわる自分の感情を丸ごと受容し愛し赦していく。手放すのではなく抱き入れていく。しかしその結果、周りに何が起ろうとその感情に圧倒されることが無くなる。つまりそれは、その感情を手放したことと同じことになる…という訳です。

 人間が執着を持って手放せないでいるネガティブな感情を、仏教語では「煩悩(ぼんのう)」と呼んでいます。聖賢と呼ばれる存在は、その煩悩から隠(かく)れず、真正面からその煩悩を見つめることで叡智を得て、遂には俗世間の束縛・迷い・苦しみから抜け出し、悟りを開いてと聖賢となった。その一人が、仏陀(釈迦)と呼ばれています。

 さて手放し方の例をいろいろご紹介してみました。どの方法がいい・悪いはありません。これがオールマイティというものでもありません。あなたなりの手放し方を大切にしてください。いつも自分の感覚・感性を信頼して自分にしっくりくる方法で手放すことが大切に思います。
 「感情はしっかり感じて、感じたら手放す…」これが出来るようになったら、感情による執着から解放され、「いま」というひとときを存分に生きることが出来るようになるのではないでしょうか。そして何よりも人生がシンプルになり、その上、自分にとって“心地いい人生”を引き寄せ始めることでしょう。

*次回のコラムは2023年10月20日前後の予定です。

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2023年8月20日日曜日

シンプル イズ ザ ベスト

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Column 2023 No.123

 シンプルで控えめな生き方が、誰にとっても身体にも心にも
 最善であると信じています
 アルベルト・アインシュタイン

 今日(こんにち)多くの人々がシンプルな生き方を求めているのは不思議ことではありません。何故ならアインシュタインが言うように、それが自分の心にも身体にもここちよく、しっくりするということを知っているからでしょう。

 ひととき「断捨離」という言葉が多くの人々の気持ちを動かしました。身の回りのものを整理したら、気持ちにも影響してさらにシンプルに心地よく生きられるということを人々は体感したいのだと思います。今回はこの「断捨離」について考えてみたいと思います。私自身も断捨離を本気で考えていますが、しかしなぜか遅々として進まず、この停滞はなんだろうと頭をひねります。シンプルな生き方を夢見ながらなかなか進めないこの現実って何だろう…と考えてしまいました。

 まわりの雑多と対峙するのは、私たちにとってとても勇気が必要です。頭の中がまわりと同じくらいに混乱していたら現実を見たくなくなり、無意識に断捨離精神を見過ごしたくなるのです。しかし勇気をもって僅か一隅だけでも片付けると気持ちが広がり、さらに片付けが進むということが起ります。頭の中の雑多に甘えず、圧倒されないようにする。これはかなりの勇気が必要に思われます。

「…断捨離と言う語源はもともとヨガの指導者である沖正弘(1921~1985)が提唱した以下のヨーガの思想。
 
行:新たに手に入りそうな不要なものを断る
行:家にずっとある不要なものを捨てる
行:物への執着から離れる

 後にやましたひでこが出版した「新・片付け術 断捨離」がヒットし、一般に「断捨離」という言葉が世に大きく知られることになった…」
以上 「ウイキぺディア」より参照

 断捨離という言葉を聞いてすぐに思いつくのは身の回りの不要品を片づけることですが、本気でシンプルライフを目指し、ここちよい日常を手に入れたいと思うならば、精神的なものを含め、生活全般に亘って断捨離の余地があります。例えば「人間関係」「価値観」「感情」そして「言葉」…等もそうでしょう。

 賢者は複雑なことを シンプルに考える
 ソクラテス

 「人間関係」の断捨離について考えている人は案外少ないかもしれません。ある仲間と、ただぼんやりと何十年間もつき合い、誘いをうけたら何となく参加し、大切な数時間を、自分にとってあまり興味のない会話のやり取りを交わす。もしかしたらその時間は自分が本当にやりたいことが出来た貴重な時間であったかもしれません。

 自分自身の「価値観」について感じてみますと、“~すべき”のように自分の人生を狭くするような価値観に固執して、自分で自分を追い込んでいることがあります。そうした価値観は、洗い直し(断捨離)の必要があり、自分の人生を大きく広げてくれるような価値観に置きかえていけたらと思います。

 私自身がもうひとつ闘っているのが「感情」の断捨離です。特に「価値判断」「罪悪感」はかなりしぶとく、断捨離したい感情の2大テーマです。他にも整理したい感情は沢山ありますが、自分を追い込む価値観を手放すのと同じくらいこれらの感情を手放せたらどんなに自分が広がり、すっきりした生活が手に入ることでしょう。

 「言葉」の断捨離。とても必要な気がします。話さないでもいいことを私たちは沢山話してはいないでしょうか。私自身も人さまとお会いした後、今日は無駄なことをいっぱい話してしまったな…と大反省をすることがあります。自分軸に向かうべきベクトルが、外側に向かうと、単なるうわさ話で終わったり、批判めいた会話に傾いたりして自分自身で不愉快な気持ちになることがあります。言葉の断捨離は人ひとによって違うと思いますが、ベクトルがどこを向いているかによっては言葉の断捨離は意味があるような気がしています。

 必要なものだけを得る。シンプルで簡素なくらしでいい。
 そんな精神をもって働く人々の仕事を評価しないのは
 大いなる損失である
 マハトマ・ガンジー

 いらないものをそぎ落とし、シンプルになればなるほどに自分の呼吸の音が聞こえ、自分の本当の気持ちが浮上してきます。

 1つ無用なモノを捨てると、1つ分だけ空間ができる
 1つ余計なモノを捨てると、1つ分だけ負担が取り除かれる
 1つムダなモノを捨てると、1つ分だけ爽やかさが甦る
 そして、人生が大きく変わっていく
 やました ひでこ

*次回のコラムは2023年9月20日前後の予定です。

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