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Column 2021 No.99
表情が見えないマスクの群れ、呼吸が感じられないオンラインでのやり取り、和気あいあいと飲み合うことも久しくご無沙汰。心待ちにしていた友人とのランチも「どうぞ黙食で」とある。これをそのまま守っていたら、人と人とはいったいどこで繋がれるのだろう。
心配な状況を挙げればきりがありません。まさに寒々とした時世です。このような不確かな世の中にあって、自分を見失わず、凛として生きていくために、一体私たちには何ができるのでしょうか。この不安な流れは当分収まることは見込めないし、誰に期待することもできません。
今回のテーマはコロナで浮上した私たちの心の中にある「虚しさ」について考えてみたいと思います。私も時折訪れるこの虚しさを持て余すひとときがあります。何だか虚しい。何だかつまらない…と。私たち一人ひとりが、この虚しさといかにつき合い、心穏やかに生きる喜びを失わないで生きていくのか…は、特にいま大切な課題であるような気が致します。
カウンセリングの場での体験です。生きる虚しさを感じている人々は、自分のハート辺りに空洞を感じると表現する人があります。固まりがあるという人もあります。そして無意識にこの空洞を埋める為に、アルコールに依存したり、誰かに愛されていることで、虚しさを忘れたいと恋愛に依存したり、働き続けることで自分の中の虚しさから逃れたいと仕事に依存したり…。依存の形には色々ありますが、虚しさを忘れたい、虚しさから逃れたいという心理だと言われています。多かれ少なかれ誰にもあるもので、無意識の穴埋め作業です。しかし何かに依存することで虚しさを埋めることは、多くの場合は難しいでしょう。
人生の答えなんて考えてわかるもんじゃない。ただその時その時を
ぎりぎり生きている奴だけにその答えは見えてくるんじゃないだろうか
藤本 義一
その通りだと思います。彼が言うように頭で考えても答えはやっては来ません。落ち込んだままでいい、虚しいままでいい。とにかくわけがわからないままでいいから、何か行動を起こすこと。無心に行動をしているうちに、いつのまにかエネルギーが動き始める…という体験を私もしています。“何でもいい。行動をしてみること”は虚しさの対処法のひとつだと思います。
悩まない人があったとしたら、
それはもしかしたら人生じゃないかもしれない
伊集院 静
人生は幸せであるべき、幸せであらねばならない…と、私たちはどこかで“幸せこそが人生！”といったような定義をもっていないでしょうか。このような理想を掲げることが、満たされない感覚、慢性的な不満足感の中に漂ってしまう原因になっているような気がします。人生には色々なことが起きてきます。仕事で挫折することもあれば、人間関係で挫折することもいっぱいあります。“人生幸せであるべき”といった過剰な期待が、実は虚しさや不安を増幅させてしまっているかもしれません。
私たちは確かに人生を楽しむために生まれてきたのだと思います。そして自己実現を最終目的として生まれてきているのだと思います。その目的に向かうために、私たちの魂は、歓びの感情も悲しみの感情も、怒りの感情も憎しみの感情も、虚しさの感情も、体験して味わって気付いて、魂に落とし込んで、そして生きる智慧にしたい。つまり人生を深く生きて、自己実現に向かいたいと願っているからこそ、色々困難な人生をも無意識に引き寄せて体験し、学ぼうとしているのだと思います（コラムNo15）。私たち人間は想像以上に、忍耐と踏ん張りをもって、自己実現に向かって生きている勇気ある存在なのです。
いま高齢者を襲う虚しさが論じられています。確かに老いるということは、人生の四苦と言われる「生老病死」すべてが関わってくるわけですから当然と言えるでしょう。若い時には理解できない深刻な虚しさの中で、しかも疾病・貧困・孤独と闘いながら、残された人生で自分は何ができるのだろう。自分に何が求められているのだろう…その問いに真剣に対峙している高齢者は多いと思います。
私自身もその年齢の域に入り、ときに襲い来る虚しさと闘いながら「残された人生で何ができるか」を真剣に求めています。そして日々このような気持ちを大切に生きていこうと思っています。
＊生きるということは当然“虚しさと共歩き”なのだと抱き容れる
＊新しい体験を興味津々で迎え、今日の日を私なりに思い切り楽しむ＊無理をしないで一日一日を、とにかく感じて、そして生き切る＊社会とのつながりを、何かの形で保ち続ける＊“自分軸”をいつも意識して、決して情報に振り回されない＊周りに過剰な期待はしない。そして決して人生を諦めない＊どんな状況にあっても自分を“無条件に赦して” “無条件に愛して”生きる＊見えない大いなる世界、サムシング・グレート*をさらに理解して、生活の中に生かして生きる（* “サムシング・グレート”は、遺伝子オンの生き方で有名な分子生物学者 故 村上和雄氏の造語）
幸せの中で生きている人は、どの人も、大きな力とのつながりを
感じていて、生きていることの感謝と驚きと人智を超えた力への
畏敬の念を持っていることが共通しています
マーシー・シャイモフ
山下義一氏の「109歳 私の幸福論」を読みました。山下氏は111歳でご逝去。周りに甘えず、自分のできることをして、命尽きるまで社会に貢献した人です。
いつまでたっても何歳になっても「われは咲くなり」の気分です。
現在109歳になりますがその気持ちはかわりません
山下 義一
返信削除下村先生✨こんにちは❣️
「“何でもいい。行動をしてみること”は虚しさの対処法のひとつだと思います。」
以前、とてもしんどいときに「そうだ！イルカと泳ごう！」と思いついて、ひとりで新幹線・電車・バス・徒歩と、イルカと泳ぐために行動したことを愛おしく思い出しました。イルカと泳げた嬉しさと同時に、自分の望みを叶えた自分が頼もしく思えて、また何かできそうという希望が湧いてきたのでした。
自分の闇、ネガティブな感情にも気づき、掌の上でちゃんと見て、味わって「いていいよ」と言ってあげたり、「もういいよね」と手放していったり、そんな作業をこれから大切にしていきたいです。
〝サムシング・グレート“わたしも信じています。自分にできることはやって、あとは〝サムシング・グレート“に委ねることにしよう。そうすると心の中が平穏であるのを感じます。
何かはっ！と思いついたとき、頭から柱が出て天と繋がるイメージがあるのです。でもイメージじゃなくて、きっと本当に〝サムシング・グレート“と繋がる瞬間なのだと確信するに至りました。
今回も、今までの道程を振り返ることができ、これから進んでいく道標を得ることができました。
下村先生✨ありがとうございました❗️
追伸
削除頭の上から出るのは、柱はちょっと太くて固い感じだけど、いいことばが見つからなくて、今思いついたのは、自在に動く「コード」の方がぴったり✨きました。“サムシング・グレート”と繋がるときは、そのコードがぴーんと伸びて上に繋がるんだ❗️と今朝思ったことでした。
もふピヨさま
削除そうでしたね。もふピヨさんがとってもしんどい状態でいらした頃、「イルカと遊んできました」と、その悦びを報告下さったことを思い出しました。虚しさのなかにあっても行動してみることは効果があるとは言え、易しいことではありません。もふピヨさんの果敢な決断に心打たれてものです。
ネガティヴな感情にも気づいて、掌に乗せて、そして味わって、”いてもいいよ” と言ってあげたり ”もういいよね” と手放したり…とおっしゃっています。もふピヨさんの感情への深い思いやりが伝わってきて、心打たれました。
もふピヨさんも ”サムシンググレイト”の存在を信じていらっしゃるんですね。そして「人事を尽くして天命を待つ」の心境のなかで、天とご自分が繋がってひらめきがやってくる…そんな体験をもお持ちなんですね！ サムシンググレイトとしっかりつながっていらっしゃるんだな…と、伝わってきます。
「追伸」に今気づきました。なるほど！頭から伸びるのは柱のような硬いものではなく、自在に動くコードなんですね！上と繋がるときには、そのコードがシュルシュルっと伸びるのですね。イメージがよりはっきりしてきましたよ！有難うございました。
つい先日、心の虚しさ体感しました。
返信削除夫に風呂の排水口を掃除する（これには訳があり、長くなるのでカット）というと
夫；「恩着せがましく言う。料理だってそうだ。反論すると、直ぐやってみろという」
私；「確かにそうかもしれないけど、懸命に作っているのを何もしない（夫は座って趣味の事をしている）じゃない！」 と反論。
その後、涙が溢れて 私は夫や母の事を考え、材料を選んだり、作り方を工夫しているのを分かってくれない。調理をする（丁度昼前で）気力もわかない。けれど作らなくっちゃあと簡単なものを作りました。しかし、気が抜けたようになり、だた作るだけ！
昼の準備をして夫を呼び、私の気持ちを言いました。
私；「料理を作るのが虚しい。」
自然に涙が溢れ、昼はほとんど食べられず、裏庭に出て考えました。
『私は、どうしたいんだろう？』もう、料理を作るのはやめようか。でも、夫が作る料理はおいしくないし、別々に食べるのは母がいるのでむつかしいし・・・
『私は、どうしたいんだろう？』
『このまま口を利かない？イヤ、そうしたいのではない。じゃあ、どうしたいの？』
と暫く考えました。
『私は、この地球にこの体感をしたくて来たのだった。そうだった‼』
と気づき、虚しさを体感したよと思ったら、気分が落ち着きました。
その後、夫は悪かったと思ったのかのように、自ら良く動き（普段は私が○○しようと言ってから動く）私への声かけも優しくなりました。
Kiyokoさま
削除虚しさの体験をありのままに伝えてくださって有難うございました。
お風呂の排水口の掃除をすることから、食事作りのあれこれにまで論争が発展して、つらいやり取りになってしまったのですね…。そのやりとりで傷ついてしまったKiyokoさんは そのつらい気持ちの中でも昼食を作って、でも「料理をつくるのが虚しい」と、ご主人に伝えることができた。
どんどん涙が溢れてきたKiyokoさんは、ご飯が喉を通らず涙と共に裏庭に出て「私は本当はどうしたいんだろう。料理を作るのをやめる？…できない。夫と口をきかない？…これもいや。じゃあどうしたいの？」…と、Kiyokoさんは自分の思いと真剣に対峙されました。自分軸から逸れることなく、自分の気持ちと真剣に向き合われているKiyokoさんは素晴らしいと感じました。
そしてKiyokoさんに来た気づきは「私はこの地球にこの体感をしたくて来たのだった！」なんと深い気づきでしょう。自分の自己実現のためにつらい体験も体感も、私たちは無意識に引き寄せるんですよね…。そして ”私は虚しさを体験したよ！” と、Kiyoko さんはご自分に確認してあげたんですね！するとKiyoko さんの気持ちは落ち着いてきた…と。
ありのままの事例と共に、心に響く気づきを有難うございました！
下村先生へ
返信削除「どんな状況にあっても自分を“無条件に赦して” “無条件に愛して”生きる」
私はやっとこの言葉の意味がわかってきたように思います。
先日「鏡の法則」の著者、野口嘉則さんの動画を見る機会がありました。
その動画で「自己受容」のお話をされていて、自分の感情を受け入れる方法をお話されていました。
寂しい時には「寂しいんだね」、悲しい時には「悲しいんだね」、むなしい時には「むなしいんだね」と自分の感情に気付いて、認めてあげる。
親業で下村先生から教えていただいたことだ！と改めて理解を深めました。
以前は自分の感情を見ないようになっていたので、自分の感情がわからなくなっていました。少しずつ手探りで感情を見つけ、最近は自分の感情に寄り添って、認めてあげることができるようになってきました。
親業を学んで何年も経って理解が深まり、その頃を思い出すと「よく頑張っていたよね」と涙があふれます。あの頃先生が私にかけて下さった言葉を思い出し、今でも励まされています。
ありがとうございます。
Rika Hayashibaraさま
削除“どんな状況にあっても自分を無条件に赦して、無条件に愛して生きる”…この言葉の意味がわかってきた…と！嬉しいです。実は世の中で一番自分に厳しい人は、自分なのです。せめて自分自身は、どんなことがあっても自分を愛して赦して…いつもいつも自分の味方でいてあげたいものですね。野口氏の動画の自己受容の言葉はまさに親業ですね！大切な自己受容の心を育ててくれる言葉です。
今、Rikaさんはご自分の感情にしっかり寄り添ってあげていらっしゃるのですね！以前は感情にまともに向き合っていたら生きていけないような心の状態だったのですよね…。感情は私たちの子どもです。感じてもらいたがっている存在です。無視すると私たちの身体や生き方にまで影響を及ぼして気づいてもらおうとします。よかったです！Rikaさんの感情が喜んでいるのが伝わってきます。
ほんとあの頃のRikaさんは健気にも周りの人々のしあわせだけを真剣に考え、何とかしてあげたいと本当に悩まれていました…。ほんとうに頑張って頑張って生きていらしたRikaさんでした…。
自分以上に大切な存在はありません。Rikaさんが幸せになれば、まわりも自然に幸せへと導かれるのです。しあわせも ”わたしから！” 出発です。感情を大切に感じてあげながら、今日も元気にわくわくと生きていきましょうね。
講座で360度の図でポジティブとネガティブの感情がたくさんあることを習いました。虚しさはその中のひとつでした。
返信削除目に見えてる現象や集団意識の鋳型に自分を無意識に照らし合わせて勝手に落ち込むけど····
自分の全てを無条件に赦し、全てを無条件に愛してみるとネガティブ感情がやって来るのがわかります。私のこともちゃんと見てね って言ってる気がします。
そしてその中でもやりたいことをやってみる。
どんな方法であろうと自分の心が喜んだらOK。
サムシンググレートがちゃんと見守ってくれてるのだから····と思う今日この頃です。
MOONさま
削除そうでしたね。上級講座で360度の円上にポジティブ、ネガティヴの感情を対にして表した「自己受容」を学ぶチャート…のことよく覚えて下さっていますね。
ネガティヴの感情もポジティブな感情も同じ位置で大切と、学習しました。自分の全ての感情を無条件に赦し、無条件に愛してあげると、ネガティヴな感情も堂々と姿を現して「ここに居るからね」と、MOONさんに主張してくるんですね。その存在を認めてあげると自分の心がさらに納得しますよね。
心が虚しい時も心が喜んでいる時も、サムシンググレートに繋がっているのだと意識して生きていくと、真の自信と喜びにつながりますよね。有難うございました！