2021年4月20日火曜日

「断わる」行為は“自分大切”のコミュニケーションのひとつです

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Column 2021 No.95

 誰かに何かを断らなければならないことは、私たちが生きている日常の中に度々起こってきます。はっきりと断れない為に、買いたくない品物を買ってしまったり、行きたくもない所に行く羽目になったり、オーバーワークなのに仕事を引き受けたりして、悶々とする結果になったことはないでしょうか。

 「NOと言えない日本人」などと他の国からは揶揄(やゆ)されています。日本には、古(いにしえ)から礼節を重んじ、他者を尊重する文化があります。その上、日本人は一般的に控えめでシャイな国民性をもっています。よって結果的に“NOを言うことは相手に失礼なこと…”という観念があり、“NO”へのこだわりが、多くの日本人の魂に刻み込まれてしまっているのかもしれません。

 しかし他者を尊重するという背景には、相手に嫌な思いをさせたくない…は勿論ですが、嫌われたくない…という恐れも潜んではいないでしょうか。

“やります”“できます!”…と、なぜ安請け合いをしてしまうのか。
それはあなたの中に“好かれたい病”があるからです
中田 敦彦

 一度しかない私たちの人生、人に嫌われたくない…という理由だけで安請け合いをして、あなたの大切な時間を費やし、自分が本当にやりたいことをやらないで人生が終わったとしたら、何と悔しいではありませんか。断ることへのこだわりの理由はまだあります。

 断ることへの罪悪感
 相手の気持ちを汲み過ぎる
 断ることは“我がまま”だと思える…等々

 断ることは決して我がままではありません。罪悪感も要りません。自分の人生に責任が持てるのは自分自身だけです。本当に断りたいときに、率直に断る意志を表現していくことは、自分の人生を意義あるものにし、満足できる人生を創造する上で大変重要なコミュニケーションなのです。

 気の進まない誘いなど、お断りしたいな…とあなたが思うとき、相手に不愉快な思いを与えずに断る方法を簡単にご紹介しましょう。親業訓練協会主宰の「人間関係講座」で提供しているスキルの一部です。

 断る“理由”と“意志”を相手に明確に伝えます。例えば
「せっかくお誘い頂いたのですが、仕上げたい仕事がありますので(理由)行かないことにします(意志)」
「いま病人を抱えていますので(理由)役員は引き受けたくない(意志)のです」

 これからもおつき合いを続けていきたい人へのお断りは、このように必ず理由を伝えることを忘れないで下さい。付き合いの無い人からの勧誘などには、むしろ理由をつけないで意志だけで断ります。理由をつけると、それに乗っかってこられる羽目に陥ることがあります。
「貴金属は買うつもりはありません」
「興味がないのでその集まりには参加しません」 
「寄付はお断りします」

 一般に断りにくいとされているのがお金の貸し借りです…。

人は通常、金を貸すのを「断る」ことによって友を失わず、
金を貸すことによって、たやすく友を失う
ショーペンハウエル

 「親への仕送りや、新築のローンの支払いで手いっぱいなので(理由)お金は貸したくない(意志)のです」

 お金を“貸す”“貸さない”はその人の判断ですが、情に流されたり嫌われることへの怖れから動いてしまうと、ショーペンハウエルのいう、落とし穴に落ち込む結果になる可能性は大きいのです。

 さて、子どもがまだ小さい頃、ママ友のひとりがこんなことを言っていたのを思い出しました。「先日、近所で親しくしている奥さんとお店でばったり逢ったのね。そしたらその人が“午後から~があるの。子どもを預かってくれない?”って言うの。急なのでちょっとパ二くってしまって、つい「あ・あ~いいわよ…」と引き受けてしまったのよね。後で思い出したんだけど自分にもその日出掛けていかなければいけない用事があって、預かった子も一緒に連れていかなければならない羽目になったのよ。何だかむしゃくしゃしたわ…」

 焦って返事をすると、こういう事態に自分を巻き込んでしまうことがあります。その場では決して即答をしないことです。「ごめんなさい。予定をにらんであとでお返事させてください」と、ひとまず伝えます。ひとりになってあなた自身の本当の気持ちを感じてみて下さい。そしてあなたの本当の気持ちにぴったりとした表現で、断るなり引き受けるなりすることです。安請け合いしてしまうと、相手のこういうタイプの人はまた同じように甘えてきます。

 勿論「はい」と言って引き受けることも人間関係には必要です。しかし弱さからいつも自分に不正直に好意的な返事をしていると、やがて自分自身を見失う結果になります。

大切なのは自分への思いと他の人への思いやりが、
あなたにとって快適なバランスを保っていることです
リンダ・アダムス

*次回のコラムは2021年5月20日前後の予定です。

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7 件のコメント:

  1. 下村先生、こんにちは❗️

    「少しお時間いただけますか?〜日までにはお返事いたしますので。」返事のわたしメッセージを練習したおかげで、じっくり自分の気持ちとむきあったあとでお返事ができる心地よさを手に入れることができました。
    「ごめんなさい。予定をにらんであとでお返事させてください。」このフレーズも練習して身につけたいと思います。

    お金に関しては、過去に、近い親戚からお金を貸してほしいとの話があったことがありました。あげてもいいと思える額ではなかったので、「あなたとの関係をこれからもずっと大切にしたいので、お断りさせてください。」と伝えました。その方は、あなたにとっても条件のよい話を持ってきたのに‥と驚いていましたが、後日公的機関より借りられたようです。でも、おかげでずっとよい関係でいられています。

    自分に対する思いやりと他人への思いやりがよいバランスになるように、断ることを恐れずに自分の気持ちとしっかり向き合って返事をしていきたいと思います。

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    1. もふピヨakiさま


      自分の本当の気持ちと感情で、率直に返事ができたときは、本当に心地よいものですね!

      そうでしたか…。”お金を貸して欲しい” の依頼に対しても、真っ直ぐに断られたのですね!本当は凄く難しい場面です。感服いたしました。ご自分を信頼していらしたのですね。その方とのご縁も壊れることなく…。お見事です!

      断ることは自分を大切にしている側面です。決して”我がまま” ではありません。おっしゃっているように、いつも自分軸を感じながら、自分への思いやりと他の人への思いやりのバランスが、これからも心地よく保たれますように!

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  2. 久しぶりに先生のコラムにお邪魔しました。
    私が先生の講座に通っていたのはもう20年ほど前…
    子どもも大きくなり、私も自分の時間を楽しむことができるようになりました。
    まだまだ自分の気持ちに正直に、大切に生きているとは言えませんが、気持ちを確認すること、そして断ることがちょっぴり上手になりました。断ることはいい気持ちではないけれど、私の気持ちを大切にするってことは大事です。
    私は若い頃、自分が嫌いでした。生きている実感が薄いというのか…気持ちがわからないというのか…
    誰のために生きているのかわからない自分でした。
    今は心も時間も少しゆとりを持てて、自分が好きになっています。年をとったのでしょうか笑笑
    今日は美容室でちょっぴり贅沢に時間を過ごしています。
    自分へのご訪問です。

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  3. 慌てん坊の私…
    最後の最後に恥ずかしい。

    自分へのご褒美です。ご訪問なんて笑笑

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    1. コメント有難うございました。

      親業講座を20年も前に受講下さったのですね!お子たちも大きくなり、お母さんはご自分の時間が楽しめるようになられたのですね!

      そうでしたか…。お若い頃には生きている実感が薄く、誰の為に生きているのか分からないような状態でいらしたのですね。お苦しかったですね…。しかし、自分を感じるということを講座で学ばれたり、子育てから徐々に手が離れるに従って、気持ちにも余裕も出来ていらして、ご自分の気持ちをつかむことが出来るようになられたのですね。そして結果的にご自分がお好きになってこられた…と。嬉しいですね!

      そしてまだまだ…とは言っていらっしゃいますが、何よりご自分の気持ちに正直に、大切に生きようとされています。「…断ることが」ちょっぴり上手になりました。断るのはいい気持ちではないけれど、私の気持ちを大切にするってことは大事です…」と…書いて下さっています。大共感です!

      ご褒美の美容室でゆったりと寛いでいらっしゃる姿が、微笑ましく目に浮かびます。有難うございました!

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  4. 自分大切のコミュニケーションの中に断る行為も入っているんですね。

    心の中ではNOと言ってるのに表面ではYESと言ってしまう····こんな経験はたくさんしました。

    でも勇気を出してNOと伝えてみて嫌われたとしても私のその後の人生に影響がなかったり、ご縁がある人であれば違う場面で意気投合したり·····。

    罪悪感も恐れもなくNOと言い、心からYESと言う。
    弱い自分ではなく本当の自分と相談し人間関係も大切に。

    完璧に出来なくとも出来た時を喜びながら生きて行きたいです。有り難うございました。

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    1. MOONさま

      そうそう、心の中では本当はNOと思っているのに、弱さからついYESと言ってしまうってことよくありましたよね。

      でもMOONさんは、学習してからは思い切って本当の気持ちを表現するようになられたのですね!「案ずるよりは産むが易し」それで人間関係が壊れると言うことはまず無いのですよね。罪悪感や恐れを超えて、自分の本当の気持ちを大事にして NOやYESを伝えていく!

      そんな正直で勇気ある生き方って素敵ですよね!そんな自分ってなかなかいいですよね!有難うございました!

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