2021年12月20日月曜日

あなたの同意がない限り、誰もあなたを下に見ることはできないのです

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あなたの同意がない限り、誰もあなたを下に見ることはできないのです
エレノア・ルーズベルト

Column 2021 No.103

 このフレーズは、32代米国大統領フランクリン・ルーズベルトの奥様で、婦人運動家で有名だった人の言葉です。
 職場でいじめに逢ってしまう人、いつも被害者意識で生きている人というのは、まさにこのフレーズが示しているように、いじめを受ける前に、また、誰々からこうされた…という前に、実は自分自身に“自分は駄目な人間だからいじめを受けて当たり前” “人に嫌われて当たり前”…と、どこかでそれを認めている、つまり、同意をしている…というわけです。もちろんこれは無意識の選択です。

 カウンセリングの場でもよく体験することですが、自分に価値を持っている子どもは、周りの子どもから「お前死ね~や!」(いじめる子がよく言う言葉です)と、万一言われたとしても“せっかく生まれてきたのに、なんで私が死ななきゃいけんの!”と当然跳ね返します。しかし、自分で自分に価値をおけない子どもは、言われて当然…と無意識に同意していますから、その言葉を真正面から受け入れてしまいます。“価値がない自分は死んでもいいのかも…”というふうに。

あなたはあなたであればいい
マザー・テレサ

 子どもの自己価値感を育て直していくという作業はとても大変ではありますが、しかしそれは一生の宝となります。自己価値感が再構築されると、再びいじめに逢うことはありません。いじめを受け入れることに同意しなくなるからです。しかし、子どもが自分自身に価値を持てるようになるためには、まずは私たち大人が自分の人生を大切に生き、どれだけ自分に価値をおいて生きているか…が問われます。そして“見栄えのいい子どもに”…という世間軸を脱却し、“自分のペースを大切にして、ゆっくり成長していいのよ” “あなたはあなたでいいのよ”と伝えてあげることから出発です。(コラムNo58

 子どもは子どもらしく生きる権利があります。試行錯誤をする権利があります。失敗をする権利も、落ち込む権利も、這い上がる権利もあります。それこそが子どもの人生としての体感であり実感です。その体感・実感が赦されることで、初めて自分の人生が、心と身体で実感でき、それが生きる自信となって、その子なりの生き方のスタイルを作っていけるのです。

壁は自分自身だ
岡本 太郎

 “私は駄目だ。私であってはいけない”と誰よりも思っているのはあなた自身なのです。自分の思い込みが、私たちの壁となっていることに気づいて、自分自身を見直していきたいものです。

自分はこんな人間であるという思い込みが現在のあなたを作っている
池上 彰

 この思い込み(同意)は、知らず知らずに自分の生き方を決定しています。私たちは今の瞬間をどんな意識状態で生きているでしょうか。自分の心・自分の想念の多くを、何に費やしているでしょうか。一番大切な「自分軸」から離れて他人軸に向かい、他の人の動向や評価を気にしたり、他者と比較して自分の無価値感と闘ったり…と言ったような想念で、多くの時間を費やしてはいないでしょうか。怖いことですが、その無意識の想念が私たちの人生を創造していくのです。

 まず、瞬間瞬間、自分自身の想念のあり方に気づき、無意識の思い癖に気づくことがとても大切です。他人軸から自分軸に向け直すこと。今、自分はどう感じているのか、どうしたいと思っているのか、いま何がやりたいのか、その都度、明確にしていく。思考のあり方はその人にとっては長年にわたり馴染んでしまっている習慣ですから、まず気付くことからが始まりです。だから訓練が要ります。私もまだ修行中ですが、とても大切なポイントであり、それが自分を愛するということだと感じています。

 自分を愛する…ということは、自分に正直になるということです。自分から来た答えを尊重し、本当にやりたいことをやり始めることです。誰にも気兼ねをすることなく朝寝坊したり、休暇を楽しんだりジムに行ったり、新しい服や靴を買ったり、もっともっと正直に自分の心が喜ぶことをやってあげること・・・それは本当の自分を見つける為の大切な第一段階です。自分軸を強く太くする為に大切な一歩なのです。やり続けていくに従って自分の人生の目的が見えてきます。そしてやがては他者と比べない自尊心・自己価値感が再構築されていくのです。

 まずは私たち大人が“ありのままの自分・素(す)の自分で生きていいのだ”と自分自身に同意できたとき、初めて内外一致で、子どもたちにその心を伝えることができるでしょう。

あなたの尊厳は、自ら放棄しない限り、
誰も奪うことはできないのです
マイケル・J・フォックス

*次回のコラムは2022年1月20日前後の予定です。

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4 件のコメント:

  1. 下村先生、こんにちは!
    いろいろな角度からずっと愛を伝え続けてくださっていることにとても感謝しています!

    今まで、他人から失礼なことをいわれたとき、びっくりして固まってしまうことが多々ありました。でも、「今こうおっしゃいましたよね!あなたの言ったことは受け取りません!」と即答できる(跳ねつけることのできる)自分でありたいです。わたしにとって、そのためのヒントを見つけた今月のコラムでした。今月は、自己価値感・自己の尊厳について、先人たちが言葉を残していることを知りました。

    あなたの同意がない限り、誰もあなたを下に見ることはできないのです
    エレノア・ルーズベルト

    あなたの尊厳は、自ら放棄しない限り、
    誰も奪うことはできないのです
    マイケル・J・フォックス

    すごく悔しいけど、自分軸が確立できてなかったとき、無意識レベルで失礼な言動を受けることに同意していたのかもしれない‥。と気づきを得ました。(本当に悔しいです‼︎)

    それには自尊心・自己価値感を再構築すること。それは自分のわくわくを追いかけていくことで叶うと実感しています。自分の心が喜ぶことをひとつずつ叶えていくうちに自分軸ができはじめ、続けていくうちに強く太くしっかり立っていくんですね。自分自身を価値ある存在として大切に扱い、愛する。それが結果的に周りの人にも伝わり、大切にされる存在になるのだと理解しました。

    昨日は冬至でした。知り合いのアロマセラピストさんのご厚意で、柚の木から葉つきで柚子を摘み取らせていただき、きれいに洗って湯船に浮かべました。7つの葉つき柚子がぷかぷか可愛く浮かんで、まるで小さな太陽がわたしを応援しにきてくれたみたい!香りとともに心から幸せを感じた昨夜でした。

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    1. もふぴよakiさま


      私のコラムを「愛」として受け取って下さっているもふピヨさんに、私の方からも心からの感謝を送ります。

      これまでのもふピヨさんは、気持ちがとても傷つくようなことを周りから言われたとき、びっくりして無意識に固まってしまっていたけれど、今思えば、相手の言動の前に、自分自身の中で無意識レベルで無価値な自分…に同意していたのかもしれないと、いま思うと、悔しい気持ちでいっぱいでいらっしゃるのですね…。そこで、もふピヨさんは、これからは相手の失礼な言動に対しては「……あなたの言われたことは私受けとりません」と、即答できる自分になっていきたい…と、思われているのですよね。

      その為には、自分自身の中に自尊心そして自己価値感を再構築していくことの大切さに気づいて下さっています。自分自身の気持ちに正直になって本当にやりたいこと、心が歓ぶことを追いかけていくことで、徐々に本当の自分が見えてくる。つまり自分軸が強く太く育っていくのですね。その結果、「私は尊厳ある存在である!私はわたしでOK!」といった自信が打ち立てられ、それはオーラとなって、もふピヨさんを輝かせ、周りの人たちは、もふピヨさんを自然に大切な存在として接するようになるのですね。

      そうでしたか!柚子を浮かべた香り豊かな柚子風呂をゆったりと楽しんでいらっしゃるもふピヨさんが目に浮かびます。自分に優しく優しく…と、心がけていらっしゃるその思いも伝わってきてきて、ほっこりとした気持ちになりました。



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  2. 私の同意がない限り誰も私を下に見ることはできないのですね···。
    無意識に同意しているからその場面に出逢うのですね····。


    私が習った親業スキルで一番親業的に育ったであろう末っ子が年末に帰省しました。
    その子が私と話している時に「オレは世界平和を目指しとるけ~」って言いました。
    何気ない日常のいろんな話題を話していた時にです。
    私は「あ~、この子は世の中のいじめる、いじめられるの世界を越えた所に立っているんだなぁ」 と感じ嬉しい衝撃を受けました。


    私は妻、母の役割を降りて一人の人として生きたい。
    日々、自分の飲みたいものを飲み、食べたいものを食べ、欲しいものを買い、会いたい人に会う··等々
    小さなことを実現させて生きて行こうとさらに強く決心しました。
    有り難うございました。

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    1. MOONさま

      自分は ”何だか人から下に見られるな…”と思えるとき、実は他者に原因があるのではなく、自分がダメ人間だから ”他者から下に見られて当然…”と、無意識に自分がそれを受け入れている ‥つまり自分自身が同意をしているから…というわけですね。

      不登校など色々あった息子さんに、MOON さんは心を込めて「親業」を実践されました。その息子さんは見事に国立大学を卒業。自分がやりたい仕事ができる会社に就職され、立派に自立されました。

      その彼が「オレは世界平和を目指しとるけ〜」と! 彼は自分で自分を評価しているので、こんなに高く広い視野に立つことが出来るのですね! その結果は、彼は周りの人々からも自然に評価されていくのですね。彼のメッセージはお母さまにとっては本当に嬉しい衝撃でしたね!

      そしてMOON さんご自身が、妻そして親の役割を降りて、一人の人間として本当に幸せになっていこう!と、心に決めていらっしゃるのですね。その一文を拝見して、私自身の気持ちも、何だか大きく広がり、ワクワクしたことでした。

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