2014年3月20日木曜日

面白きことのなき世を面白く (その1)

Column 2014 No.5

面白きことのなき世を面白く
- 高 杉 晋 作 -

 幕末の志士、高杉晋作のこの呟きには何か膝を打つ感じがありました。
 幕末から時代も大きく経過し、文明文化も目覚しく進化した現代ですが、果たして面白い世の中になっているのでしょうか。

 国際情勢、政治情勢、経済の行方・・・等々。真剣に見つめ感じるほどに、どの側面を見ても喜びどころか、底知れぬ不安や焦りの心情が多くの人々の心を占めてしまいます。そして人の心もすさび病んできています。欝、心身症、暴力、いじめ、自殺願望、薬物依存・・・等々。

 心配な状況を挙げれば枚挙にいとまがありません。
 このような不確かな世の中にあって、自分を見失わず、凛として生きていくためにいったい私たちは、何が出来るのでしょうか。

 世界情勢の混乱も、不安定な政治・経済情勢も、実は私たち一人一人の責任回避の結果でもあります。人の心を侵す病も、我々が無関心の結果作り上げてしまった病的な社会環境・自然環境、そして我々一人一人の病んだ心の反映でもあると思うのです。もうその責任からは逃れられない大切な時期に来ていると思います。

 しかし一方、その不安な流れにただ同調したり、心を痛めるばかりでは状況の改善は決して望めないでしょう。こんな世の中にあって「・・・だからこそ面白く生きていこう」という高杉晋作の提案はとても興味深く、意味があることに私には思えたのです。

 待っていても世界は面白い生き方を見せてはくれないでしょうし、また人に依存しても永続的な幸せは決して与えてはくれないでしょう。としたら自分の喜びは自分で見つけ、創っていく以外にないのではないでしょうか。

幸福だから笑うのではない
笑うから幸福なのだ

アランという人の名言です。幸せは自分で創っていくものだということを教えてくれているような気がします。あなたの心が笑えるようなことをやってみませんか・・・と。

 実はこの考え方を親業ではとても大切にしています。
 「すべきことよりやりたいことを!」これは人間関係講座のキャッチフレーズのひとつでもあります。一度しかない貴重な人生、あなたの心が本当に喜ぶことをやってみませんかという問いかけです。

 私の子どもがまだ小・中の学齢期にあったころでした。私はこの問いかけを大切にしてみようと心に決めました。夫や子どもを送り出したあと、まず自分に尋ねたものです。「今何がしたい?」と。午後友人に会えるなどの楽しみがある日は「お掃除に洗濯ね!」“すべきこと”もわくわく出来るんですよね。

 ところが多くは「う~ん!コーヒーが飲みたいな」「本が読みたい!」「眠りたい」心も体も疲れている時代には、多く“思い切り眠りたい”が私から来る答えでした(笑) そこで“すべきこと”は後回しにして、改めて布団を敷きなおし数時間眠ったものです。主婦が朝っぱらから昼寝なんて・・・と当分は罪悪感との共歩きでした。でもやりたいことを正直に果敢にやってみたのです。自分だけのために楽しんだ経験があまりなかった私は、こんな辺りからの出発だったのです。

 無性に海が見たい日があって、身支度をして一人で海を見に行ったことも何度かあります。メリーゴーランドに乗りたいと思い始めたので、あちこちの遊園地を求めて飛び歩いたひと時もあります。新幹線に乗って行ったこともありますよ。大きな大人が何で? 笑えますよね!

 でも、人が何を言おうと笑おうと、自分にしか解らない心が喜ぶことを優先順位の一番においてみたのです。 敢えて、意識的に!

 すると子ども時代に遣り残したことや、満たしてこなかった欲求が見え隠れしました。会いたい人に会ってみる。食べたいものを食べてみる。行きたいところにいってみる・・・私の心はどんどん満たされていきました。
 “今を生きている”実感があり、わくわくしました。

 “面白きことのなき世“もまんざらではなく思えてきました。そして自分の心の中に大きな変化が訪れたのです。

夢中で書いていたらこんなに長いコラムになってしまいました。
続きは次回のコラムに譲ります。


*次回のコラムは4月10日前後の予定です

2 件のコメント:

  1. いつもコラムを楽しみにしています!

    「人が何を言おうと笑おうと、自分にしか解らない心が喜ぶことを」
    ・・・自分にしか解らないこと・・・が心に残りました。 
    時々自分の中から「こんなことしてていいのか?」と言う声が聞こえてきます。
    こんなことしたいのはこの私・・・  そういう事を教えてもらったのかな?・・・。

    いつだって感じながらする自分のやることは必要なこと!こういうことなのでしょうか(・∀・)



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    1. Moonさま
      コメント有難う!心が喜ぶことって自分しかわからないよね。だから人は何と言おうと閃いた喜びで生きていくことだとおもいます。

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