2022年10月20日木曜日

人生は魂を磨く場所です

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人生は魂を磨く場所です
山川 紘矢
Column 2022 No.113

 目には見えない「魂」とはいったいどこにあって、どんな存在なのでしょう。古(いにしえ)からそれがはっきり定義できないままに、しかしとても大切にしてきた存在です。

私はこの世に二つの宝を持っている。友と私の魂
ロマン・ロラン

 「魂」についてネットを開いてみました。「…魂とは生きる者の身体の中に宿っていて、心の働きをつかさどると考えられるもの。古来、私たちが肉体を離れても不滅のものと信じられてきた…」(コトバンク)。ウエブサイトでもその在りかを明確に定義しているものはやはりありませんでした。しかしそれが定義できないでも、私たちの本心はその存在をはっきりと感じ取っており、古来から無意識に生き方の中心に置いてきたのです。

 冒頭のフレーズの山川氏はこんなことを言っています。

 僕は今世何を学びに来たのか。
 あなたは何をしに地球にやってきたのか。
 今の自分の課題は何か。…答えは自分の中にある筈です。
 すべての答えは、いつも自分の中にあるのです。

 多くの先哲・先賢が共通して述べている箴言(しんげん:人生の教訓の意味を含めた短い句)に、「すべての答えは、いつも自分の中にある…」いう理念があります。身体のどこの場所と限定はしていないにしてもそれに答えてくれる存在がある。それが「魂」なのではないでしょうか。私自身もおぼろげながらも、一人ひとりの中の魂の存在を信じ、自分の感性を大切にすることの重要さを何度か発信してきました(コラムNo85

あのときの苦しみも あの時の悲しみも
みんな肥料になったんだなあ。自分が自分になる為に
相田 みつを

 私自身も過去に辛いうつ病を患った時のことを思い出します(コラムNo19)。しかしどんなに辛い患いもその病から学び終えれば、必ず抜け出る日が来るのです。その時に私から来た答えはひとつではありませんが、その底辺にあるものは「自分の本当の気持ちを感じて大切にして、自分に正直に生きていく」…でした。それは私の魂からきた答えだったと今は感じています。そこから私の新しい人生が再び始まったのです。

逆境っていうのは、自分の魂を目覚めさせてくれるものなんだ
モーリス・メーテルリンク

 さて私たちは何をしにこの地球にやってきたのでしょうか。「汝自身を知れ」というソクラテスの有名な箴言があります。あくまでも私の解釈ですが、そのフレーズは、私たちが地球に来た意味を暗示していると感じています。“自分を知ること” 自己理解こそが、生きる上での重要な課題であると。心理学者のアブラハム・マズローも言います。私たちが無意識に目指している自己実現(高次の自己への統合)へのプロセスに必要なのは、体験に基づく“自己理解”であると。もともと高次の自分を持っている私たちは、色々な体験を通してそれを思い出し、その高次の自己に統合するために地球にやってきたのだ…と、私は解釈しています。

 しかし私たちは、一人ひとりのエゴで営々と築いてしまった人類の集合意識に日々翻弄され、その波にすっかり飲み込まれて、生きる意味や自分自身を見失っている現実があります。しかし、その集合意識に翻弄されながらも、真の自分を完全に見失っている人は、本当はただの一人もいないのです。私たちには関知出来なくても、私たちの「魂」は、悲しい出来事、身を切られるような切ない体験の中でも、私たちが高次の自分に向かうべく、果敢に学び続けてくれているからです。

悩まない人生があったとしたら、それはもしかして人生じゃないかもしれない
伊集院 静

 人は悩みの中から気づき、日々進化しているのだということを伊集院氏はこのフレーズに込めています。日々の出来事に翻弄されながらも、私たちは“自分は何者か”を絶えず学んでいるのです。無意識ですが“自分を知りたい。理解したい”と真摯に求道している存在なのです。

本当の自分を見つけよう。
自分が解からなければ自分らしく生きようがない。
自己が解からなければ自己実現のしようがない
リチャード・H・モリタ

 ソクラテスが偉大な人物と言われた所以(ゆえん)は、自分自身の無知を自覚していたからだと言われます。現に私たちは、無限の宇宙の真理をどれだけ理解していると言えるのでしょう。広大な宇宙の観点から見れば、私たちはまさに無知そのものです。だからこそソクラテスの“汝自身を知れ”の意味合いが魂に届き、その深さに心打たれるのです。自身の無知を受け入れ、いかなる人生であろうと自分の人生をたくましく生き切って、自分を深く知っていく。そこに心を据えることこそがまさに“魂を磨く”ということであり、更なる“魂の進化”への道程ではないでしょうか。

 人間が積む体験に、良い・悪いはいっさい無い。
 過去の体験に対しても、これは失敗だったね…と、誰が言えるか。
 良い体験も悪い体験も、それぞれ進化のプロセスです。
 どんどん進化していくために、色々な状況を体験していくのです
            五井 昌久

*次回のコラムは2022年11月20日前後の予定です。

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2 件のコメント:

  1. 「集合意識に翻弄されながらも、真の自分を~果敢に学び続けてくれている」このフレーズは子どもの不登校、別室登校を経験した私にもぴったり当てはまるフレーズです。

    当時の様々な集合意識の中で苦しむ私を「魂」が学び続けてくれたお陰で私は子どもたちと独自の生き方を積み重ねることが出来ました。

    その時の体験が今の私の魂と子どもたちの魂を作っているんだと確信する事が出来ます。


    色々あったあの頃は子どもと自分を守ることに必死でしたけど「魂」は私が私を見捨てないように、私が色んなことに気づけるように、一緒に学び続けてくれたんだなとコラムを読んでジーンとしました。
    そしてこれからは私が意識して私の魂を進化させようと思いました。有り難うございました。

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    1. MOONさま


      雑務に追われていて遅くなりました。

      小学校時代の子どもさんの不登校問題があった頃、おっしゃっているようにMOONさんは集合意識に翻弄されながらも、懸命にお子たちを守り親としての学びに専念していらっしゃいました。

      MOONさんとお子たちの「魂」は、その間にも決して親子を見捨てることなく、高次の自分に向かうべく、果敢に学び続けていてくれたんだなあ…ということに気づかれたのですね。

      そして今、それぞれのお子達一人ひとりは、しっかりと自分軸を持ち、それぞれが自分の生きたい人生を堂々と生きていらっしゃいます!

      MOONさんの「…その時の体験が今の私の魂と子どもたちの魂を作っているんだと確信することができます」そして「これからは私が意識して私の魂を進化させようと思いました」…等々の一文に心打たれました。

      いかなる体験も私たちの魂は高次の自分に統合するべく粛々と学んでくれているんですよね。魂の存在に感謝しながらお互いに自分の人生を逞しく生き切っていきましょうね。

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