2024年6月20日木曜日

年齢を脱いで自分を生きる

 2024年 講座開講スケジュール ★2024年講座予定公開中。上級講座も開催★

今年は親業上級講座も開催します(9月開講。4~5年に1回の講座です)

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Column 2024 No.133

 今年も又ひとつ年齢を重ねました。若い頃は年齢を重ねることは大切な記念日であり、得意な気持ちが混じったような重ね方だったと思います。ところが今は齢を重ねるごとに“もう~歳になったんだ。だからこんな感じなんだな…”と、その年齢のイメージの中にしっかりはまって、無意識にその生き方を演じてしまっている自分にふと気づきます。

 ずっと以前ですが、シャンソン歌手でエッセイストだった石井好子氏の講演会に参加した知人が、石井さんが話した内容が面白かったと言ってその情報を送ってくれました。その一文です。

「…今年60周年記念コンサートをするが、そのテーマを“さよならは言わない”とした。“さよなら”には私の歳では意味がこもり過ぎる。TV局やコンサートの開演前に若い助手が“お迎えに参りました”とやって来る。以前は何ともなかったその言葉がこの頃どうも気になるので、別の言い方にしてほしいと頼んだ。すると彼はしばらく考えていたが、おもむろにこう言った。“もうじきでございます”…」

 何だか可笑しくて大笑いをしてしまいました。最後まで現役で若々しくいらした石井さんでしたが、このメッセージの5年後に88歳で逝去されました。人の命はいつ終わりが来るかわからないだけに、石井さんをはじめ高齢になってくると年齢はけっこう気にかかるものなんですね。

 しかし、年齢って不思議ですよね。50歳代で、すでに老年を感じさせる人もあれば、90歳を過ぎてもなお若者のようなエネルギーを放っている人もあります。この違いは何がその人に働いた結果なのだろう。そんな年齢の不思疑さをしきりに感じていたからでしょうか。以前コラムにも書ましたが、朝に近い時間、うとうとした夢の中で何処からか、はっきりとある語りかけを感じたのです。“なぜ人は歳をとる(老いる)のか解かりますか。それは多くの人々が持っている共通概念、つまり社会(集合)意識からの影響を受けているからです”…と。目が醒めて「なるほど!」と私自身、膝を打つ感じがありました。年齢の不思議さが、ある程度明快に解けたのです。何度か触れていますが心理学者のユングは次のように伝えています。

 人類すべては、人類発生以来脈々と受け継がれてきた信念・価値観・恐れ・不安…などを、人類共通の概念として潜在的に持っている。それをユングは“集合的無意識”(社会意識)と呼んでいます。我々はそれらの影響を確実に受けながら今の人生を創っているのだと…。夢で気付かされたことは、例えば私たちが“老化”を迎えるのは“人間は歳を重ねるに従って確実に老いに向かうものだ”…といった集合意識(社会意識)にまんまとはまってしまった結果なのだという訳です。

 人生を挑戦するのに年齢なんて関係ない。そもそもこの世に時間などない。
 それは人間が勝手に創ったものだ。私は時計師だからそのことがよくわかる
 フランク・ミュラー

 時計師さんだからと言って“時間は人間が勝手に創ったものだ”と真実解かるのだろうか…。でも私は彼のその言葉に、実は釘付けになったのです。何故なら、このところ、時間の経過が日毎にどんどん短く感じられ、この流れで行くと時間は、やがて無くなってしまうのではないか…と私の頭の中で、時間という概念が実に不確かなものになってきていたからです。

 ミュラーの言うように、もしかしたら時間は本当には無くて、人間の思考で創られているものなのかもしれない…。そうなると時間は、イリュージョン(錯覚・幻想)であるはずなのに、人類はその時間の存在を信奉して、その時間の経過の中で、当然のように歳を重ね、老化を迎えているのかもしれない…と、私なりに思ってみたのです。次のように述べている人もあります。

 …実は時間を忘れて無我夢中で瞬間瞬間を生きていると、
 老化のスピードも著しく落ちてDNAレベルでも若返ってきます。
 「もう70歳だから」などと言う年齢の概念も一切関係なくなり
 どんどん進化アップデートしていくのです。
 このような生き方こそが、これからの宇宙の流れに即した生き方です。
 並木 良和

 何だか元気が出るメッセージですね。実は人は年齢で老いるのではない。一人ひとりの思考つまり観念・信念が自分の身体をも創っているのだ…という訳です。もしこう言った考えを、多くの人類が理解し始めたとき、これまでの集合無意識層は徐々に塗り替えられて、“老化”というイリュージョンをやがて超えていけるのかもしれません。その真実はまだまだ摩訶不思議な世界ですが、先ずは社会意識(集合意識)に捉われず、決然と年齢を脱いで、一人ひとりが自信をもって自分なりの人生のストーリーを描き始めていきたいものです。

 女(おんな)ふたり行く。若きはうるわし。
 老いたるは、なおうるわし
 ウオルト・ホイットマン

 “老いたるは、なおうるわし…” 歳は重ねても自分を磨き成長を続けた人は、ホイットマンの言うように、息をのむほどの美しさと輝きを放っています。ある受講生Tさんの、その当時85歳だった母上の“毎日の七つの信条”をうかがったことがあります。素敵なのですぐにメモったものです。

1.定時に起きる 2.顔を洗う 3.お化粧をする 4.お掃除をする
5.横にならない 6.買い物に行く 7.食事を作る 

 ごく平凡な生き方ですが、日常生活ひとつひとつを、丁寧に生きていらっしゃる姿勢が伝わってきて心打たれたものです。私自身も、自分の生き方のスタンスを大事にして、とりあえず年齢は脱いで、新しい今日の命を輝かせて、丁寧に生きていきたいものだと、改めて思ったことでした。

 生きる日の歓び・哀しみ。一日一日が新しい彩りをもって息づいている
 岡本 太郎

*次回のコラムは2024年7月20日前後の予定です。

2 件のコメント:

  1. わが人生を自分の生きたいように生きたい!と願いながらも集合意識に囚われ不自由を感じる瞬間、無意識に枠を作りその中で過ごすこともあるなぁと・・・改めて意識しました。


    年齢は集合意識では他人を判断する数字、自分も判断している数字・・・でもその人の意識世界では自分で決められる数字なんだろうなと思っています。


    前に通っていたゴルフスクールでは86歳のご婦人と出会い、
    ランチを取るため一人で入ったお店では93歳のご婦人がお隣に・・・。

    ゴルフのご婦人は40代で始められたとかで背筋もピンとされていて毎日練習に来ていると・・・。
    ランチのご婦人はバッグも服も集合意識での93歳では選ばないだろうと思われるものを身に着けておられましたが派手ではなくとっても良くお似合いでした。少しお話した中で「いいなと思ったものを買って着たいものを着てるんよ。近所では私より年下の人が元気ない」と話してくださいました。

    今回のコラムで数年前に出会ったお二人のことを思い出しました。集合意識からの脱出を試みてる頃のことで私にとって非常に示唆的な出会いでした。


    最近、更年期障害と思われるホットフラッシュの症状が出て来ました。数年前に経験し症状が無くなり落ち着いたのですがぶり返して来ました・・・・・・・
    密かに「これは私の身体が若返っているのではないか?」と謎にも確信にも思える今日この頃を過ごしている私 自称28歳を生きてます。
    有り難うございました。


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    1. MOONさま

      興味深いコメント有難うございました。

      ゴルフスクールでの86歳のご婦人。ランチのお店で出逢われたという93歳のご婦人。集合意識に左右されないで、年齢を超えて、まさに自分軸で、人生を愉しんでいらっしゃるお二方の生き方!ワクワクしますね!素敵な方々にお逢いされたMOON さん、ラッキーでしたね!

      そうでしたか…。ホットフラッシュ症状が再び…。つらいですねえ。しかしMOON さんは「私の身体が若返っているのかも…」と密かにスッとポジティブに捉えていらっしゃる姿勢がとっても素敵です!何となく想ったその想いはMOONさんにとっては真実ですからきっとその通りになりますよ!

      自称28歳!もいいですねえ!こんな夢ある思考の人々が増えていったら、集合意識は徐々に塗り替えられて、やがて人類は”老化”というイリュージョンを超えていけるのだと理解しています。MOONさん、私たちがその先駆けをやっていきましょうね!
      出逢われたお二方のご婦人もその先駆けの方達ですね!

      元気が出るようなコメント有難うございました。

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